NVIDIAの新しい「Fermi」チップは、スーパーコンピュータ向けチップとして宣伝されているが、Appleの「Snow Leopard」や「Windows 7」向けでもあることを忘れないでほしいとNVIDIAは考えている。
Fermiは米国時間9月30日、米オークリッジ国立研究所の将来のスーパーコンピュータで鍵となるチップとして、鳴り物入りで発表された。だが、それだけではない。NVIDIAのチーフサイエンティストであるBill Dally氏は10月1日、アナリストとの電話会議において、Fermiはゲーム向けのチップとして優れていることはもちろん、Snow LeopardやWindows 7の動作を高速化するのにも大きな威力を発揮すると述べている。
512個のプロセシングコアを詰め込んだFermi GPUは、Windows 7で一部のマルチメディアソフトウェアを高速化する技術である「DirectX 11」をサポートし、Snow Leopardでそれに対応する技術である「OpenCL」もサポートする。
「(このチップの新しい)多くの機能によって、主要なコンシューマー向けアプリケーションが高速化される。Snow LeopardとWindows 7はいずれも、サードパーティー製アプリケーションを高速化するコプロセッサとして、このGPUを活用することができる。別個の(スタンドアロンの)GPUを利用することにより、これらのアプリケーションで非常に優れたパフォーマンスを引き出すことができる」(Dally氏)
Dally氏は、Adobe Systemsの「Creative Suite」やMotionDSPの「vReveal」(動画補正)、「Badaboom」(iPod向け動画の作成)といったコンシューマー向けソフトウェアを例として挙げた(図を参照)。
しかし、Dally氏はただし書きをつけた。「コンシューマー向けアプリケーションの多くがまだしっかりと根を下ろしていない分野に乗り出したという点で、われわれは多少の負担を引き受けている。しかし、やがてわれわれのコンピューティング(コンシューマー向け)機能を利用するコンシューマー向けアプリケーションがさらに多く開発されるにつれ、われわれは大いに助けられることになるだろうとわたしは考えている」
そして、NVIDIA製チップであるFermiにとって、ゲーム市場は大きなターゲットである。「Fermiは、気候を予測したり、ゲノムを理解したりする際に用いるのと全く同種の科学的シミュレーションを実行することで、ゲームに価値を付加する。われわれの『PhysX』パッケージが良い例だ。これは基本的に、ゲームをよりリアルに見せるための物理シミュレーションを実行する」(Dally氏)
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