「誰でも編集できるフリーの百科事典」であるWikipediaにとって、構成上の変更は、どんなことであっても大問題だ。
そのため、現在計画されている、存命中の人物についての記事に対するすべての編集は公開される前にエディターの承認を必要とするという新しい規則も、大問題になっている。The New York Timesが米国時間8月24日に報じたところによると、この新しいシステムは近いうちに実装される見込みだが、当初は試験期間として一部の記事にのみ適用される可能性が高いという。
先週、Wikipediaコミュニティーの有力者の多くが、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれたWikimedia International Conference年次会議に集まった。そこでのトップニュースは、Omidyar Networkが、Wikipediaを運営している非営利団体Wikimedia Foundationに対し、同団体の評議員の席と引き替えに、200万ドルを寄付することに同意したことだった。
しかし、ブエノスアイレスで問われていた本当の問題は、果たしてWikipediaは、その本質が根本的に変化した後でも、ほぼすべての人にほとんど無条件の権利を付与する、ユーザーが作るサイトとして存続することができるかどうかということだ。それに対する短い答えは「ほぼ確実にできる」だ。
編集を公開する前にエディターの承認を必要とするという動きが生まれたのは、米CNET Newsが最初に報じたように、3年前のことだ。徐々に増えつつあった荒らし行為の問題にどの程度対処できるかを見るために、この方式をWikipediaのドイツ語サイトでテストするというのが当時の考えだった。ドイツ語版でテストがうまくゆけば、同じシステムを英語版にも広げることができると考えられた。
この提案の背景にある1つの考えとして、Wikipediaの創設者であるJimmy Wales氏が当時言っていたのは、数年ぶりに英語サイトのトップページを一般に開放することを理論的に可能にするということだった。このページに対する荒らし行為は非常に広く知れ渡るおそれがあるので、長い間一般からの編集ができないようになっている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」