ワシントン発--われわれには電気自動車に見えるものが、電力会社には車輪の付いたバッテリに見えるようだ。
先進的な電力会社は、スマートグリッドテクノロジを使用して、プラグイン電気自動車から得られる貯蔵電力を利用する準備を始めつつある、と業界の幹部たちは先週、コンサルティング会社KEMAがワシントンで開催したカンファレンスUtility of the Futureで語った。
自動車のバッテリは、ピーク時間帯に電力網の負荷を軽減するバッファとして利用することが可能で、また自宅所有者がバックアップ電源としても利用できる可能性がある。将来は、古いプラグインハイブリッド型電気自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle:PHEV)のバッテリを電力貯蔵装置としてリサイクルすることもできるかもしれない、と同幹部たちは述べた。
Duke Energyの最高技術責任者(CTO)であるDavid Mohler氏は「PHEVはスマートグリッドのキラーアプリケーションになると思う。PHEVは、他のどのデバイスにもできない方法で、エネルギーの消費と供給の両方を行うことができ、電力貯蔵を劇的に変える可能性がある」と述べる。
今後2年で、主流購買層を対象とした多数のプラグイン電気自動車が販売されるようになるだろう。標準の電力貯蔵能力というものはないが、プラグイン電気自動車が4台あれば家1軒に必要な電力を、少なくとも短期間であればまかなうことができるだろう、とMohler氏は見積もっている。
近い将来、電力網と自動車バッテリを最も前途有望な方法で融合させることによって、電力業界で「周波数調整」と呼ばれているものが提供されようとしている。周波数調整とは、その提唱者によると、電力会社のコストを削減し、環境汚染を軽減するもので、コンシューマーのコストまで削減できる可能性もあるという。
電力会社は周波数調整サービスに対して定期的に料金を支払って、電力の供給と需要の一致を確保する。供給と需要のバランスが崩れて信号周波数に変動が生じると、発電機が始動して電力の流れを調整する。
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