「Windows 7」の好評によって、Microsoftに興味深い課題が生まれている。どうやら、Windows 7の前評判が、企業の「Windows Vista」導入を難しくしているようだ。
そもそも、Windows Vistaへの移行に慌ただしい状況があったわけではない。
Gartnerが2008年10月に実施した調査では、大企業のおよそ30%がVistaをスキップする予定で、そのほかの企業の大多数はまだどうするか決めていないということが明らかになった。
GartnerのアナリストであるMichael Silver氏によると、Windows 7への賞賛が、弱体化する経済と相まって、半数もの企業がVistaを完全にスキップすることになりかねないという。
Silver氏は米国時間2月11日、「どうするか決めかねていた企業は、今や、Vistaをスキップする可能性がかなり高い」と述べた。
企業にWindowsのアップグレードを勧める業務を担当するMicrosoftの社員にとって、この状況は過酷だ。Microsoftは、必ずしも「Windows XP」からWindows 7への移行を阻止しようというわけではない(結局アップグレードであることに変わりはない)。しかし、同社はいくつか警告を出している。
MicrosoftのWindows部門でシニアディレクターを務めるGavriella Schuster氏は「企業は信じられないほど(Windows 7に)興奮している。われわれは、企業がもっと現実的に考えられるように、その興奮を和らげようとしているだけだ」と述べる。
Windows 7は初期段階で高い評価を得ているが、Vistaにおける問題点をすべて解決しているわけではない、とSchuster氏は言う。企業は、XPからWindows 7へ移行するには、XPからVistaへの移行と同様のアプリケーションの互換性問題を克服しなければならない。Windows 7は、Windows Vistaと高い互換性を持つように設計されているが、XPからVistaへの移行を難しくしている問題は、XPからWindows 7への移行の場合も同様に発生する。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス