Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏は米国時間2月6日、現在の世界経済について、銀行が破綻し、失業者が増加し、不況に見舞われた1837年と1873年、さらには1929年の状況になぞらえて悲観的に描写した。
Ballmer氏はバージニア州ウィリアムズバーグでの下院民主党議員総会で次のように述べた。「これは一生に一度遭遇するような経済危機だ。同じようなことは歴史上何度かあった。率直に言って、1837年、1873年、1929年、2008年という年を考えれば、人々が遭遇した大きな経済問題の間には人の一生分に近い開きがある」
Ballmer氏は、過去25年間の経済成長をけん引してきたのはイノベーションとグローバリゼーションと借金であり、現在の負債は維持しきれないほどの水準にあると述べた。同氏は「例えば1929年に株の大暴落が始まる直前、民間負債の対GDP比率は160%だった。2008年、民間部門の負債のGDP比率は300%と、はるかに大きいレバレッジだ」と言う。
恐慌に結び付く可能性のある長期の景気後退にBallmer氏が警告を発したのは、株式市場が2007年10月のピークから40%以上下がり、2006年7月以来多くの大都市圏で住宅価格が下がり続けているという、大恐慌以後例のない出来事の最中だった。
「わたしの考えでは、現在の状況はやがて経済の根本的なリセットにつながると思う。われわれ全員が再び健全な率での成長を開始できるようになるには、まず経済自体が本源的資産の実価値を反映する支出レベルへと再構築される必要がある」(Ballmer氏)
その一方で、先週の失業実態調査報告が発表された後も、米国の失業率は7.6%と、1975年および1992年より低く、さらに1982年の10.8%に比べればはるかに低い水準にとどまっている。1940年より前の数字には推計がより多く含まれているが、米国勢調査局のデータでは、1938年の失業率は19.1%だった。
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