「Macintosh」の登場から25年。Appleの顔とも言うべきこの製品だが、必ずしも同社の将来を切り開くものになるとは限らない。
第18回スーパーボウル(Super Bowl XVIII)をテレビで観戦していた人たちが、今では有名なAppleのMacintosh発売告知CMを目にしたのは25年前の1984年1月22日のことだった。Macはその2日後に正式にリリースされた。Appleは1983年に、すでにMacintoshの発売を予告していたが、多くの人にとって、その製品を初めて目にしたのは第18回スーパーボウルが開催された1984年1月22日だった。MacはAppleをパーソナルコンピュータ業界における新たな高みへと押し上げ、一般のユーザーがコンピュータを使用する際の標準としてGUIを最初に導入したコンピュータとなった。
現在、Appleの立ち位置は当時とはかなり異なっている。同社の2009年度第1四半期において、「iPod」と「iPhone」の総販売台数はMacの10倍に達した。それでも、Macにとっては素晴らしい1年だった。だが、Appleの最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏は近年のそうした変化を認識しており、2007年1月に「Apple Computer」から現在の「Apple Inc.」に社名を変更すると発表した。
Appleの将来は、iPhoneが担うことになる可能性が高まっているように思える。そうでないとしても、iPhoneは少なくともApple社内における最先端テクノロジで、社員の誰もが参加したいと思うプロジェクトであり、競合他社がまねしようと懸命に努力している製品でもある。ではそのことは、Macのこれからの四半世紀にどのような意味を持っているのだろうか。
正直に言って、それはほとんど誰にも分からない。1980年代後半に映画「ウォール街」でMichael Douglasが、Shaquille O'Nealのバスケットシューズと同じくらい大きな「携帯」電話で話をするのを見た人々にとって、当時のコンピュータが持っていたすべての処理能力よりもさらに高い能力を備え、しかも小型という携帯電話を想像することは難しかったに違いない。
とはいえ、Macは今もAppleのミッションの大きな部分を占めている。Appleのプレスリリースの最後は、毎回次のような定型句になっている。「アップルはApple IIで1970年代のパーソナルコンピュータ革命に火をつけ、80年代にはMacintoshによって、再び、全く新しいパーソナルコンピュータを創出しました。数々の賞に輝く革新的なコンピュータ、Mac OS Xオペレーティングシステム、iLifeデジタルライフスタイル・アプリケーション、そしてプロ向けの各種アプリケーションで業界をリードし続けています」
そこで今後5〜10年にわたるMacの近未来について検討してみることにしよう。
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