ある種のオンラインストレージサイトである「GDrive」がうわさされるようになって久しい。AOLのストレージサービス「Xdrive」が打ち切られ、研究データの保管を目的としたGoogleの「Palimpsest」プロジェクトなど、結果としていまひとつだったGoogleのさまざまなプロジェクトが終了となったものの、Googleが何らかのオンラインストレージシステムを提供する可能性はまだ残っている。結局のところ、Googleはクラウドコンピューティングを強く支持しているし、データストレージは有力なアーキテクチャとして重要だからだ。
「Platypus」と呼ばれる2006年のプロジェクトは、Google従業員が社内用ストレージを使用するということを示していた。これはバックアップと企業ITの観点から見ても理にかなっているが、Google Blogoscopedは米国時間1月18日、「Google Web Drive」と呼ばれる新たな可能性が見いだされたというブログ記事を掲載した。
このブログ記事によると、新しい「Picasa for Mac」ベータ版には、フォルダ処理のための「Move to Collection」というコマンドがあり、その中のオプションの1つに「Google Web Drive」があったという。GoogleはPicasa for Macベータ版にこのメニューアイテムがあったことを認めたが、そのアイテムはリリース翌日の更新で削除され、Googleからのそれ以上のコメントはなかった。
Google Blogoscopedの20日の続報によると、現在では削除されてしまったあるオンラインドキュメントに、PlatypusだけでなくGoogle Web Driveについての記述もあったという。
もちろんGoogleは、「Gmail」「Google Docs」「Picasa Web Albums」「YouTube」、その他の多くのサービスでオンラインストレージをすでに提供している。問題は、Googleが汎用的なファイルリポジトリの価値を認めているかどうかということである。競争相手には先例がある。Microsoftは「SkyDrive」で25Gバイトのストレージを無料で提供しており、ローカルファイルとクラウドベースのファイルは「Live Mesh」で同期化される。Yahooには「Briefcase」がある。
ただし問題もある。オンラインストレージシステムは、便利になるほど構築が難しくなり、運用費がかさむのである。
パスワードで保護された汎用オンラインファイルシステムならば、ファイルをアップロードやダウンロードするための基本機能を備えたウェブサイトを利用すればいい。だが、USBドライブなどと同じように、インターネットベースのサービスにレコードをバックアップできるように「Quicken」を設定するといった、コンピュータとのより緊密な統合はどうだろうか。ファイルシステムがそれぞれ異なる複数のOSへのネイティブサポートや、ハードドライブ全体の自動バックアップはどうだろうか。
テクノロジはすぐに複雑になり、ストレージで失敗はできない。データが失われたら、ユーザーの怒りを買うからだ。
しかし、オンラインストレージを「全か無か」の問題とする必要はない。Googleは「Google Apps」を有料で使用している顧客企業を対象に、基本サービスの一環として、あるいはプレミアムオプションとして、オンラインストレージを提供できるのではないだろうか。それによって、大規模な運用にまつわる費用を賄い、ユーザー数を扱いやすい規模に抑制できる上、Google Appsがより魅力的なものになるかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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