7Gバイトの大容量と強力な検索機能を備えたGoogleのウェブメールサービス「Gmail」が、近頃立て続けに機能を拡充している。絵文字対応、モバイル版UIの改善、ビデオチャット、テーマなど、パワーアップしたGmailの最新情報をグーグルの日本担当者が解説した。
「Eメールはメールを送るためだけのものではない」。グーグルでGmailを担当するプロダクト マネージャーの岸本豪氏は、Eメールは統合的なコミュニケーション環境に進化してきていると語った。以前は紙の手紙を置き換えるものだったが、いまではカレンダーのような使い方をしたり、写真やドキュメントを添付して友人と共有したり、さまざまな活用法が見出されてきたという。
Gmailも手紙にとどまらないコミュニケーション手段として進化を続けてきた。サービス開始当初、2Gバイトの大容量ディスクを無料で利用できることが話題となったが、現在では7Gバイト以上に拡大している。
2008年11月には「ビデオチャット」も追加された。これまではテキストチャットのみだったが、プラグインをインストールすることでビデオチャットも使えるようになった。「回線の太さによって画質が変わるようになっている。環境に応じた最適なビデオチャットが利用できる」と岸本氏。開発を担当したのはヨーロッパのGmailチームだという。
またGmailを開発する際には、ユーザーを「囲い込む」のではなく、ユーザーが「好きだから」使ってくれるようなメールサービスにできるように心がけているという。「Gmailに囲い込まれて他のサービスに動けなくなったからではなく、Gmailが使いやすいからという理由で使ってもらえるようになりたい」(岸本氏)
たとえばGmailの転送機能は、「単純にビジネスを考えると本当はサポートしたくないものだ」と岸本氏は打ち明けた。この機能を使うとユーザーはGmailにつねにアクセスする必要がなく、他社のサービスに移行するのも簡単になる。「しかし、こういった機能があるからこそGmailを使ってほしい。他社に移る環境はあえて提供した」(岸本氏)
GoogleがGmailから得る収入源は、Gmail利用者による広告のクリックだ。転送やPOP、IMAPを使うと広告がユーザーの目に触れなくなってしまうが、これについてもGoogleは気にしていないようだ。岸本氏は次のように述べる。「ユーザーがどんな環境でもGmailにアクセスできることは、(広告をクリックされることより)価値のあることだ」。
下のグラフは2007年11月1日から2008年11月1日までの期間における、Gmailのアクティブユーザーの推移だ。2007年11月1日を1とすると、2008年11月1日は1.8に達している。1年間でユーザーが80%増えたことになる。なお、アクティブユーザーとは7日間に1回以上アクセスしたユーザーを指す。
デスクトップ、モバイルとも順調に伸びており、特に日本はモバイル環境が整っていることから、モバイルからのアクセスの割合が主要国では一番高いという。
Gmailのユーザー数を示す具体的な数値は公表できないとしながらも、「2006年から2007年に比べて2007年から2008年の方が、加速的にユーザー数が増えている」と岸本氏は明かした。
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