このところのAppleのイベントに関して、秘密はほとんどない。
米国時間10月14日に発表されたノートブックに関するうわさやリーク画像は、結局のところかなりの割合で的中していた。価格の引き下げ、全製品ラインでのアルミニウム製筐体の採用、新しいユニボディ構造プロセス、黒ベゼルディスプレイはすべて、最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏が14日にイベントの壇上に立つ前に、Appleのうわさサイトやガジェットブログで言われていたことだった。
しかし、予想された通り、最も広く出回っていた憶測のいくつかは誤りだったことが証明された。基調講演後の短いコメントの中で、Jobs氏はいつもと異なり、Appleのノートブックに関する短期的なロードマップに盛り込まれていない事柄を明らかにした。明らかにされた3つは、Appleの将来の製品に関するうわさの中で最も繰り返し出回っていたものの一部だ。ここでは、タッチスクリーン、Blu-ray、ネットブックが近い将来Appleから発売されない理由を説明しよう。
おそらく、14日のイベントの中でJobs氏の最も不可解だった、あるいは歯切れの悪かったコメントは、高精細パッケージメディアの標準になると思われるものについてのコメントだった。Blu-rayについて、Jobs氏は「苦痛のかたまり」と表現した。つまり、ユーザーエクスペリエンスの面からでなく、ライセンスが高額で複雑だという意味だと説明した。どうやらAppleは、Blu-rayが市場に登場した後もしばらくの間、様子をうかがう戦略を取るつもりのようだ。
Jobs氏は明らかに答えに含みを持たせたが、近いうちにAppleのノートブックにBlu-rayドライブが搭載されることはなさそうだ。がっかりしたのなら、「iTunes」に文句を言ってほしい。Appleはビデオダウンロードというビジネスの構築の真っただ中にあり、消費者に、パッケージメディアに戻らずにiTunesを使って高精細ビデオを視聴してほしいと思っている。パッケージメディアでは、デジタルコンテンツの販売やレンタルと違い、利益の分け前を得ることはできないからだ。
Blu-rayは、高精細フォーマットとしては確かに支配的な立場にあるが、パッケージメディアフォーマットも支配したというわけではない。DVDの売り上げは徐々に減っているものの、まだ完全には消えていない。DVDが消滅するころには、ビデオのデジタルダウンロードが一般化すると考えられている。支配者不在の現在、ハリウッドの大手映画会社は、ある映画のディスクを購入した人に映画を無料ダウンロードで提供するなどして危険を分散している。
しかし、Appleは違う。NPD Groupの業界分析担当バイスプレジデントであるSteve Baker氏によれば、事実、AppleコンピュータへのBlu-ray採用はまさに争点となっているという。
「(Appleは)NetflixやBlockbusterのように万人向けを目指しているわけではなく、デジタルダウンロードを中心とした経済を提供しようとしている。わたしには、AppleのBlu-ray採用を疑問に思ったり、気にしたりする理由がいまだにわからない」(Baker氏)
Jobs氏はまた、ときどき登場するもう1つのうわさであるタッチスクリーン搭載Macに関しても終止符を打ったようだ。14日、これについて尋ねられたJobs氏は、ノートブックのタッチスクリーンについて検討はしてみたが、「われわれにはあまり意味がない」と述べた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス