カリフォルニア州サンノゼ発--Microsoftは、Googleの圧倒的な検索エンジンに対抗する手段を見つけたと考えている。その手段とは、人が何をウェブページで検索するか、何がウェブページに掲載されているのかをより深く理解することだ。
具体的に言うと、Microsoftは、ユーザークエリ全体を検証することで、より有用な検索結果を表示できると考えている。Microsoftの検索、ポータル、広告プラットフォーム事業部門のシニアバイスプレジデントであるSatya Nadella氏は、当地で開催されている「Search Engine Strategies」カンファレンスで、現在Microsoftは直前の検索しか追跡していないが、多くの場合、ユーザーは検索エンジンを使って関心のある分野を幅広く探索すると述べた。
「このようなユーザーの意図を理解するという発想、すなわち、(検索クエリを)分析して検索パターンを見つけ出し、検索体験を形成できるようにするという発想は、Microsoftにとって最も重要な領域の1つだと思う」(Nadella氏)
多くの検索では、特定のサイトを素早く発見しようとするが、Microsoftは徹底的に検索する人が増えてきたことに注目している。Nadella氏は、Microsoftの検索サイトで実行されている検索クエリの半分は、30分間検索してはウェブサイトをチェックするという作業の中で行われており、Microsoftは、その30分の間のどこかの時点で「フリーサイズ」の検索結果の表示をやめて、ユーザー個人に合わせて丁寧に仕立てられた検索結果に切り替えることができるはずだと述べた。
このように利用者の検索行動をより深く分析すれば、おそらく、より慎重にターゲットを絞った、より高額な広告が付随することになると思われ、当然、反発を招く可能性がある。オンラインでの検索行動の履歴全体に基づいて表示される広告よりも、検索エンジンに入力された数個のキーワードに基づいた検索広告のほうが押しつけがましくないからだ。幅広い可能性を含む概念ではあるが、行動によりターゲットを絞った広告に対する目は厳しさを増している。
トップのGoogleと2番手のYahooの後を追うMicrosoftは、Yahooの全資産、あるいは検索資産のみを買収して検索市場で成功しようしたが、その試みは阻止された。しかし、Nadella氏は長期的に考えており、Microsoftがオンライン検索に本気で取り組み始めたのはわずか4年半前のことだと主張した。さらに、検索テクノロジが大幅に変わる「変曲点」をうまく活用できるように、Microsoftは今後も努力していくと述べた。
「重要な技術革新を次々と発表すれば、われわれの規模、シェアを拡大する機会を得られるだろう。これまでも着々と歩んできたが、まだ道のりは長い」(Nadella氏)
本当に長い道のりだ。記者団との会談で、Nadella氏は、Microsoftの検索クエリのシェアが10%に届かないことは不満だと述べた。上層部がシェアの拡大に深い関心を寄せていることは、Yahooの買収騒動のみならず、自然言語処理を活用する検索の新興企業であるPowersetをウェブページのコンテンツと検索クエリをよりよく理解する手段として買収したことからも明らかだ。
Powersetのゼネラルマネージャー兼製品担当ディレクターであるScott Prevost氏は、Microsoftの会長であるBill Gates氏が非常勤職に移行したことに関して、「Billがリタイアしないのは、われわれのためだ」と述べた。Prevost氏は、記者団との会談でも発言した。
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