推測を始めよう。
Appleの最高財務責任者(CFO)であるPeter Oppenheimer氏は米国時間7月21日、Appleの第4四半期の利益率は「製品の移行」により低下すると財務アナリストに警告したが、その判断はうわさを引き起こすのに十分だった。もちろん、うわさの引き金になったのはこれだけではない。この発言は、Appleが第3四半期の業績は非常に好調であったことを発表した際になされたものだ。なお、見通しについてはウォールストリートの予想よりも低かった。
Oppenheimer氏は、「製品の移行」に何が含まれるかについて、情報を少しでも得ようとするアナリストからの質問を巧みにかわした。同氏は、2007年7月の業績発表でも、移行によって次の四半期の利益が下がるというほぼ同じ状況を、まったく同じ表現を用いてアナリストに警告している。そして、その後どうなったか。8月に新型「iMac」、9月に「iPod touch」が発表された。
CFOが株主に対して次の四半期は利益率が低下する可能性があると警告するのには、2つの明確なシナリオがある。値下げか、製造コストの上昇だ。
すでに、Appleが第4四半期中に新しいノートブックの発表を計画しているというのが、大方の予想だ。「MacBook」のデザインが変更されてからかなりたっている。また、現在、Appleの他のノートブックの筐体にはアルミニウムが使われていることから、Intelの新しい「Centrino 2」テクノロジをベースにしたMacBookに同様のデザインが施されるのは想像に難くない。
しかし、それがMacBookの利益率にどう影響するというのだろうか。MacBookはAppleのノートブックの中で最も人気があると思われ(Appleは詳細を公表していない)、大量に製造、販売されている製品の筐体をアルミニウムに切り替えることで、AppleのMacBookの製造コストの上昇につながるのかもしれない。
AppleがMac製品全体の価格変更を検討している可能性についてはどうだろうか。ある財務アナリストは、Oppenheimer氏が一連の質問を受け流したことで、その可能性を考えているようだ。Appleが自社のウェブサイトで提供しているMacのカスタマイズオプションは他のPCベンダーよりも少なく、追加の2Gバイトのメモリが200ドルするなど、追加コンポーネントの値段はかなり高い。
この見解の問題点は、Appleが現時点でMacの価格を変更する真意が見当たらないことだ。Appleは第3四半期、Macの四半期販売台数が過去最高となったばかりだ。価格が売り上げの障害になっているようには思えないのに、利益率を下げる理由はないだろう。
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