サンフランシスコ発--Sun Microsystemsの「Java」が盛んに利用されてきた分野の1つは携帯電話である。しかし同社は今、Javaのモバイルバージョンをいずれは置き換える方向で取り組みを進めている。
技術発展に伴って小型デバイスの計算処理能力が強化されるにつれ、デスクトップコンピュータ用に設計された「Java Standard Edition(SE)」が徐々に「Java Micro Edition(ME)」の代わりに使われるようになるだろうと語るのは、「Javaの父」の異名を持つSunのバイスプレジデント、James Gosling氏である。
Gosling氏は米国時間2007年10月17日に当地で開催されたJavaメディアイベントで次のように述べている。「当社は今、あらゆる製品をJava SE仕様に集約する方向で取り組んでいる。携帯電話とセットトップボックスが成長を続ける中、この集約には数年かかるだろう」
この傾向の最たる例が、Sun自身が提供している「JavaFX Mobile」だ。これはSunがSavaJeの買収を通じて獲得し、携帯電話メーカー各社が採用することを期待しているソフトウェアである。JavaFX Mobileは、ネットワーク上で他のプログラムと連動するために使われるCommon Object Request Broker Architecture(CORBA)などのいくつかの機能を除き、Java SEのほぼすべての機能を完備している。
SunのJavaに対する期待は、最近のトレンドと軌を一にしている。最も顕著な例はAppleの「iPhone」であり、構造的には大型の携帯電話というよりはむしろAppleコンピュータの小型版に近い。具体的には、たとえばデスクトップのインターネットエクスペリエンスを最大限に実現するために、Appleの標準ウェブブラウザ「Safari」が採用されている。
これと同時進行するようにIntelでは、PC用「x86」プロセッサを携帯用機器に搭載する取り組みが、「Ubuntu Mobile」や「Mobile Firefox」などのオープンソースプロジェクトと共同で進められている。
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