Ben Maurerさんは、この2007年の夏にGoogleで働く数百人のインターンの1人である。その待遇といえば、衣服や食事は無償支給、Googleのコードを掘り下げて調べる行動の自由も与えられる。
「スキューバダイビングに夢中な人が、興味深いサンゴ礁の海に潜る。ソフトウェア開発者にとって、Googleでコードを探るのはまさにそれに匹敵する体験」と語るカーネギーメロン大学の学生Maurerさん。この夏は前年に続いてGoogleでインターンとして働いている。その前は、2年連続でソフトウェアメーカーNovellでインターンシップを体験した。
Googleのインターンには、夏の間の仕事を通してさまざまな有形の特典が与えられる。そうした待遇への感謝の気持ちを強調するかのように、Maurerさんは付け加えた。「Googleの社員食堂の食事はもう最高。週末は自分で食事をしなければならないから、それが一番つらい」
Maurerさんは、学生としてはうらやましい境遇にある。だがそれは、おいしい食事にありつけるからだけではない。シリコンバレーで働くには最高にクールな場所として広く認められ、広報担当者でさえハーバード大学の学位を持つ企業で、有償のインターンシップを体験できるからである。
しかし、将来への希望に燃えながら複数の企業でインターンシップを体験したMaurerさんは、コンピュータサイエンスを学ぶ大学生として別の意味で有利な立場にある。有能な採用候補者のプールは縮小し続けているが、GoogleやMicrosoftなどの企業は、イノベーションと成長を加速させるためにそのプールから人材を釣り上げる。そのためどの企業も、翌年の採用に備えて大学レベルで才能ある人物を見つけようと目をこらす。大学でのインターン募集が競争の激しいビジネスとなっているのは、そうした事情があるからだ。
オレゴン大学教授Stephen Hsu氏によれば、「コンピュータサイエンスを学ぶ大学生や大学院生でトップレベルの成績の者には、設立後間もないベンチャー企業から大手まで旺盛な需要がある。それは、真に才能のある学生の供給が限られているという認識が広まりつつあるためだ」という。そう語るHsu氏は、自身が立ち上げたネットワークセキュリティ専門会社SafeWebを2003年にセキュリティ企業Symantecに売却した。「夏のインターン体験は採用ツールの1つだから、企業はかなり真剣に考えている」(Hsu氏)
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