米国時間6月3日のテレビ番組「60 Minutes」で放映されたコマーシャルで、ついにAppleの「iPhone」の発売日が6月29日だと明らかになったことで、iPhoneを心待ちにしている人たちは安堵の息をもらした。(もちろん、CNET News.comの姉妹サイトCraveも同類だが)頭をかきむしらんばかりに気をもませられたこの携帯電話に関して、5カ月間におよぶうわさに幕が引けることがいいのか、たくさんの情報が得られることがいいのか、われわれの視点からはどちらがどちらともいいがたい。
コマーシャルでは、すでに知っている以上のことは語られなかったが、iPhoneが実際にどのように動作するのかは見せてくれた。われわれが確認したのはこれだ。
とにかく指を活躍させよう:1月の発表以来、iPhoneにはボタンがほとんどないらしいということは知られていたが、何もかも、つまり電源を入れることさえ、タッチスクリーンで行うことがコマーシャルではっきりした。iPhoneを扱って見せるおなじみの手が、電源ボタンを押す代わりに、ディスプレイ上に指を横に滑らせて起動させた。一方、iPhoneに再びロックをかけると、電話もデータ接続も切れるのかどうかはよくわからない。そう、iPodには電源専用のボタンはないのが普通だとはいえ、Palmのスマートフォン「Treo」を使っている人でなければこれは初めての経験になるだろう。また、「通話」と「終了」を示すボタン表示が現れるのは、通話を発信しようとしたり受信したときだけのようだ。
確かに、タッチインターフェースはかなり使い勝手がよさそうだ。特にアルバムや写真をスクロールするときのスクリーンの動きは滑らかで気に入っている。ただし、バーチャルキーボードに関してはまだ少し懐疑的だ。サイトでAppleは「キーボードには予測機能があり間違いを予防したり訂正したりするので、多くのスマートフォンについている小さなプラスチックのキーボードよりも使いやすく効率的だ」と記載している。だが、コマーシャルではユーザーが片手にiPhoneを持ち、もう片方の手で入力している。触れた感じで識別できないと特にそうだろうが、これはテキストメッセージやメールをどんどん打ち込むのに効率的とはいえない。もちろん、実際に自分で使ってみれば、また感じは違うかもしれない。だがそれまでは、iPhoneの登場によって携帯電話にボタンがなくなる時代が到来するという意見を受け入れるわけにはいかない。
また、ディスプレイが指紋や汚れを寄せ付けずに度重なる酷使に耐えられるのかどうかにも興味がある。The Boy Genius Reportによればスクリーンは「驚くほど汚れや傷に強い」ものになるというが、フライドポテトを食べながらテキストを打ち込んでもそうなのだろうか?楽しみだ。
横にしても画面はまっすぐ:これもいい。iPhoneの加速度センサーのおかげで、機体を横に回してもディスプレイが自動的に表示する方向軸を修正する。現在のところ、ほとんどの携帯電話でこのような切替にはボタンを押す必要があるので、iPhoneでは一手間少なくてすむ。切替も十分素早いように見える。
インターネットも楽々:これも、期待通りに「Safari」ブラウザがフルHTMLページをじつにきれいに表示する。WAPブラウザで表示されるウェブページは満足のいくものでないのは周知のことだ。フルHTMLをサポートする携帯電話はこれが初めてではないが、iPhoneは指で触れることで拡大表示やスクロールができる。検索と地図表示機能も使い勝手がよさそうで、とてもユーザーブレンドリーだ。コマーシャルでは、サンフランシスコの「シーフード」を検索していて、関連するレストランの位置を示す地図が表示された。レストランを1つ選ぶと、その店の電話番号、ウェブサイト、住所、道順が表示される。店に予約電話をかけるには、表示されている電話番号に触れるだけだ。検索に関しては、YahooとGoogleの両方がサポートされている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」