汝のコンピュータは果たして「Windows Vista」に愛されるだろうか。その答えは汝が見つけよ。
Microsoftは、Windows VistaにPCを格付けするためのツールを組み込もうとしている。このツールが判断の基準にするのは、PCの現在の動作状況と、Vistaの機能をどこまで活用できるかという点だ。
VIstaの最新のテストバージョンに付属するこの「Windows Performance Rating」は、プロセッサやメモリ、ハードディスク、グラフィックカードなどのコンポーネントを評価し、全体のスコアを算出する。
評価の結果は大きな青い丸に囲まれて、同OSの複数の場所に表示されるが、Microsoftはスコアの意味する内容については詳細を明らかにしていない。メインとなる総合スコアは5段階に分かれているが、明らかにされていない別の方法により、コンポーネントごとの「サブスコア」も付けられる。
MicrosoftはCNET News.comに宛てた声明のなかで、「Windows Performance Ratingを用意したのは、平均的な消費者が自分のWindows Vista PCの全体的なパフォーマンスを簡単に理解できるようにすること、そしてシステムコンポーネントを見て特定のアプリケーションがスムーズに動作するかどうかを判断するプロセスを簡略化することが目的だ」と述べている。
コンピュータメーカー各社や小売業者らは、特定のマシンの性能を誰にでも分かるよう説明するのに役立つツールとして、Windows Performance Ratingを使うことができる。また、ソフトウェアメーカーでも、自社製ソフトウェアの実行に必要なPCのタイプを明記できるようになる。
たとえば、先週開催されたIntel Developer Forumに展示されていたソニーのVAIOノートの総合スコアは3だった。このPCはIntelプロセッサと1Gバイトのメモリを搭載しており、これらのサブスコアはそれぞれ5.6と5.5だった。IDFの展示フロアにあった、IntelのPentium D 940プロセッサおよびタイプ不明の2Gバイトのメモリを搭載するデスクトップも総合スコアは3で、プロセッサのサブスコアは5.6、メモリのサブスコアは5.5だった。
Microsoftは格付けシステムが未完成である点を指摘し、算出方法の詳細を明らかにしなかった。
Microsoftは、「この機能はまだ開発中のもので、現行のWindows Performance Ratingの操作性が必ずしも最終的なものになるとは限らない」と語り、今後テスト版のバージョンが上がるごとに機能を強化していくとした。
市場調査会社Endpoint Technologies Associatesの社長、Roger Kay氏によると、Vistaのパフォーマンス格付けは、特にマシン購入前の顧客にとって有益なものだという。
同氏によると、この格付けは、Vistaや関連アプリケーションがシステムごとにどの程度快適に動作するかをデモするなど、小売店にとって営業ツールになるという。ただし、顧客がPCを持ち帰り、いろいろと試してみるまで格付けが分からないのでは、そのメリットを理解するのが難しいと同氏は述べている。
このシステム格付けツールのスコアが固定されたものなのか、それともハードウェアの進化に伴って徐々に変わるものなのか、という点はまだ分からない。そして、どちらの方法を選んでも、Microsoftには課題が残る。もし何らかの調整を行えば、特定の設定での格付けが下がり、ユーザーは自分のPCに処理能力がなくなったと感じるようになる。その一方で、もし格付けが進化しないと、技術の進化によって、いずれはすべてのマシンに5が与えられるようになってしまう。
システムの性能低下については、Microsoftがすでにこの問題に取り組もうとしている。これまでは、起動時に読み込むソフトウェアが増え、ハードディスクの断片化が進み、各種機能の増加で作業が「もたつく」と、実際にマシンのパフォーマンスは大幅に低下した。だがVistaでは、時間の経過に伴ってPCの速度が低下しないようにするための機能がいくつか追加されている。
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