カリフォルニア州バーリンゲーム発--もし「PEZ」が存在しなかったら、eBayも生まれなかった、という理屈になる。
そんなはずはないと思うかもしれないが、ここカリフォルニアには、ある都市伝説がある。起業家のPierre Omidyar氏がオークションサイトのeBayを開設したのは、自分のガールフレンドが彼女の手元にある「PEZディスペンサー」(棒型のキャンディケース)のコレクションを売り買いできるよう手助けするためだった、という話だ。
もちろん本当のところはわからない。しかし、米国時間11月14日にここバーリンゲームにある、おそらく世界で唯一のPEZ博物館に来て、間違いなく言えることがある。そう、ここにはeBayで落札したさまざまなPEZディスペンサーがずらりと並んでいるのだ。館内の様子を見て、Omidyar氏が人気キャンディトーイの最も有名なコレクターだと思う訪問者さえいるかもしれない。
PEZ博物館のようなものがベイエリアにあるということすら、筆者は知らなかった。しかし最近になって「Geek Entertainment TV」で存在を知ってから、サンフランシスコから南へ約16マイル(約26km)の距離にあるこの博物館に、行ってみなければと思った。
正式には「Burlingame Museum of PEZ Memorabilia」という名称のPEZ博物館は、Gary Doss氏とNancy Doss氏が夫婦で運営している。称賛と共にここに飾られているのは、容器の頭の部分を軽く後ろに倒せばバネ仕掛けでキャンディが取り出せる仕組みの、小さなプラスチック製のおもちゃだ。
今ある形のPEZディスペンサーがキャンディの世界に登場したのは1950年のこと。以来、計692種のモデルが世に送り出されてきた。それぞれの値打ちはさまざまで、無価値から5000ドル以上まで広範囲にわたる。
Gary Doss氏は、全種類を含む1000個以上のPEZディスペンサーをコレクションしているが、その価値を聞かれると、謎かけのように「この裏に『レクサス』が1台駐車してある」と答えた。
では一体、彼はどんな経緯で、レクサス1台と等価のPEZディスペンサーをコレクションし、一般に公開するに至ったのだろうか?
Doss氏の説明によると、夫婦でコンピュータ店の経営を始め、「Commodore」と「Amiga」の各種モデルを販売していたという。しばらくしてDoss氏は、店内のショーケースに自分が集めたPEZディスペンサーを並べたら面白いし、もしかしたらそのうちのいくつかを売って副収入が得られるのでは、と考えた。
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