「文系」と「理系」いずれかに偏った人間は「文系バカ」「理系バカ」であると聞いて、クスッと笑う人もいれば、怒り出す人もいるかもしれない。
本書では、「文系バカ」「理系バカ」の典型的な事例を10ずつ挙げている。たとえば「文系バカ」の典型例は「血液型診断や占いが気になって仕方ない」「取扱説明書は困った時にしか読まない」など。「理系バカ」は「できれば他人と深く関わらないで生きてゆきたい」「新型、最新テクノロジーの商品を買うために徹夜してでも並ぶ」など。「当てはまるなあ」と笑いながら面白く読める。
しかし、本書で重要なのはそこではない。著者は理科離れ、算数離れの激しい日本の現状について、危機感を持って解説し、特に、文系に偏った人間に対して、科学の重要性と楽しさを説いている。つまり、どちらかというと「文系」の人間に読んでもらいたい本なのである。
知識が偏っておらず、バランス感覚に優れている「文理融合型」の知性を持つ「文理融合センス」のある人間こそ、今後の社会で必要とされるし、それが当たり前になるという。自分の知識が「文系」に偏っていると感じるなら、まずは新聞の科学欄を読んでみたり、「ディスカバリー・チャンネル」のような番組を見たりするのでも良いそうだ。
まずは、文系であれ理系であれ、違う分野を毛嫌いせず、一口かじってみることから始めようか。
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