東芝からHD DVDレコーダーの普及モデルRD-A301が発売された。2007年夏に発売になったRD-A600/A300と併売になっているが、世代はRD-A301の方が新しく新機能を搭載している。
RD-A301にはハイビジョン放送の解像度を維持したまま長時間録画を可能にするHD.Rec(エイチディーレック)機能が搭載されている。本機の説明に入る前に、このHD.Recについて簡単に説明しよう。
これまでのハイビジョン録画は放送波をそのまま記録していた。これをメーカーにより「TSモード」や「DRモード」と呼んでいる。このTSモードやDRモードはデータ容量が大きく、2時間の番組を録画するのに約25Gバイトもの容量を必要とする。
すでにハイビジョン対応のHDD&DVDレコーダーを使っているのなら、「デジタル放送を録画するとすぐにHDDがいっぱいになる」と不思議に感じた人もいるだろう。その原因はTSモードにあった。
アナログ放送なら標準モードで2時間の番組を録画するのに4.7Gバイトしか使用していなかったが、デジタル放送をTSモードで録画すると、約5倍の容量が必要になっていた。HD DVDやDVDに、より長時間のハイビジョン番組を録画したいなら、せっかく1920×1080ドットという高解像度のハイビジョン放送を、720×480ドットのDVD画質に変換して記録しなければならなかった。
そこで開発されたのがハイビジョン放送の解像度を維持したまま、容量を抑えて記録するH.264方式の録画機能「HD.Rec」だ。HD.Recは東芝独自のエンコード回路「HDトランスコーダー」を搭載することで、ハイビジョン番組を効率よく圧縮し、HD DVDメディアへの長時間録画を実現。それだけでなく、これまでは不可能だったDVDメディアへのハイビジョン記録にも対応した。
H.264方式の記録はBlu-ray陣営のソニーのBlu-rayZシリーズ、パナソニックのDMR-BWシリーズにも備わっているが、それぞれが記録したディスクについては東芝のRDシリーズと互換性はない。
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