UPDATE Adobe Systemsには、Steve Jobs氏のように著名な最高経営責任者(CEO)はいないかもしれないが、資金はある。そこで同社は米国時間5月13日、Adobeの「Flash」技術に対するAppleのCEOの批判に反論するための活動にその資金の一部を投入し始めた。
同キャンペーンの一環として、選択を推進するウェブサイトが設けられ、そこには、Appleによる批判の一部に反論する「The truth about Flash」(Flashの真実)というページと、Jobs氏に対するAdobeの共同創設者であるChuck Geschke氏とJohn Warnock氏からの個人的な返信である書簡が掲載されている。Jobs氏やAppleの名前には言及していないが、それに宛てたものであることが明らかに見てとれる。
「インターネットの素晴らしい点は、イノベーションに対して、ほとんど無限にオープンであることだ。新しいハードウェア。新しいソフトウェア。新しいアプリケーション。新しいアイデア。それらすべてに可能性がある」と共同創設者の両氏は書簡に記している。「つまるところ、本当の疑問は、誰がWorld Wide Webを支配するのか、という点にあるとわれわれは思う。そしてその答えは、誰も支配はせず、また誰もが支配するが、単独の企業が支配することだけはあり得ないということだと思う」(Geschke氏とWarnock氏)
Adobeの公開返信は、Flashを激しく批判したJobs氏の書簡のように攻撃的ではなく、ずっと上品なものだった。Jobs氏は書簡の中で、Flashをプロプライエタリであり、消費電力が高く、マルチタッチインターフェースのサポートが遅れており、安全性と安定性が低く、総合的に時代遅れであると切り捨てた。
Adobeのキャンペーンは、いくつかの新聞とオンラインニュースサイトにも掲載され、Appleへの反論を表した広告も登場させている。冒頭には、Appleに対する愛を宣言する大きなシンボルが表記されているが、それほど友好的ではない内容で締めくくられている。
「私たちが愛するは、創造性。私たちが愛するは、イノベーション。私たちが愛するは、アプリケーション。私たちが愛するは、ウェブ。私たちが愛するは、Flash。私たちが愛するは、300万人のデベロッパー。私たちが愛するは、健全な競争。私たちが愛するは、タッチスクリーン。私たちが愛するは、『Open Screen Project』のパートナー。私たちが愛するは、HTML5。私たちが愛するは、1度きりのコード作成。私たちが愛するは、すべてのデバイス。私たちが愛するは、プラットフォーム」と広告には記されている。「愛せないのは、創造するものや方法、そして、ウェブ上での経験を選択する自由を奪う人」(Adobeのキャンペーン広告)
Adobeは、技術的な観点からも反論している。AdobeのFlashプラットフォーム担当プリンシパル製品マネージャーを務めるMike Chambers氏は、Flashにおけるタッチおよびマルチタッチのサポートと、その処理電力要件を、他の映像、音声、および動画技術と比較したブログ投稿を記している。
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