The Wall Street Journal(WSJ)の報道によれば、ソニーは2010年中に新しいスマートフォンとタブレット型ポータブルデバイスを発表する予定だという。
WSJに情報を提供した「この件に関する消息筋」によると、新スマートフォンには「PlayStation」のゲームをプレイできる機能が搭載され、タブレット型デバイスはネットブックと電子書籍端末、「PlayStation Portable」を統合したようなものになるという。電子書籍リーダーとゲーム、コンピュータを組み合わせたようなガジェットの狙いは、Appleの「iPad」や、今後ほかのガジェットメーカーから発売が予想される多くの類似デバイスに対する競争力を高めることだ。いずれの製品も2010年に店頭に並ぶ予定だが、価格に関する詳細はまだ全く明らかにされていない。
ソニーは声明で次のように述べた。「既に発表があったとおり、ソニーとSony Ericssonはネットワーク対応携帯端末の分野における協力を強化している。しかし、正式発表の前に将来の製品や事業計画について論じるのは、われわれの戦略には合わない。そうした製品や事業の詳細を示唆する全てのメディア報道は、憶測に基づくものだ」
ソニーは「iTunes」への対抗馬として、「Qriocity(好奇心を意味する『curiosity』と同じ発音)」と呼ばれるデジタルダウンロードサービスを3月中にローンチすることを既に発表している。Qriocityでは映画やテレビ番組、音楽、ビデオゲームをダウンロードすることが可能で、新デバイスはいずれも同サービスとの連携を想定している。
ソニーはそうしたデバイスの開発に取り組んでいることを認めようとしないが、同社がAppleに狙いを定めているのは明白だ。2月の記者会見で、ソニーの最高財務責任者(CFO)である大根田伸行氏は、同社がタッチスクリーン式タブレット市場でAppleと争っていくことに関心があることを明らかにした。
「これは、われわれも大きな関心を抱いている市場だ。ソニーには製品を作り出すスキルがあるとわれわれは確信している」と大根田氏は述べた。「時間という観点から見ると、われわれはiPadに少し後れを取っているが、これはわれわれが積極的に参加したいと考えている空間だ」(大根田氏)
もっとも、タブレットはソニーが改善し、競争力を高めようとしている分野の1つにすぎない。ソニーは、同社が抱える多くの事業を共通の目的に向けて調整することに苦労している。最高経営者(CEO)であるHoward Stringer氏は2008年、ソニーのPCやゲーム機、ハンドヘルド、携帯電話、音楽プレーヤーといった幅広い製品群を、同社のゲームタイトルや映画、テレビ番組を含む強力なコンテンツライブラリとより効果的に連携させる計画を披露した。
ソニーに製造工場の閉鎖や従業員のレイオフ、全面的なコスト削減を余儀なくさせた財政面での問題により、その計画の実行は遅れている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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