アイ・オー・データ機器、デジオン、メルコホールディングスの3社は2月1日、「一般社団法人デジタルライフ推進協会」を設立したと発表した。
代表理事はメルコホールディングスの代表取締役社長である牧誠氏が務め、消費者がデジタルライフをより手軽に楽しめる環境づくりや規則づくりをしていくという。協会はメルコホールディングスの東京オフィスに設置する。
アイ・オー・データ機器とメルコホールディングスはPC周辺機器メーカーとして知られるが、アイ・オー・データ機器の代表取締役社長である細野昭雄氏は、「なぜ永遠のライバルが組むのか。デジタルチューナーを開発したが、先行する大手企業からすれば、新参者。日本の決まったルールに従って作らないとならないが、あまりにも決まっていないこと、ユーザーからみておかしい、ということが多い。それをなんとか解決していきたいという思い。既存の団体と対立軸の団体ではない」と設立のきっかけを語った。
牧氏は、「あらゆる規定は根本的にネットワークをあまり重要視していない。(コンテンツを)Blu-ray Disc、DVDなどのメディアに焼いて機器から機器へ持って行くという考え方になっている。われわれの強みはサーバにコンテンツを蓄えて、ネットワークで配信したり、端末に合わせて画像の解像度などを変えて、ざまざまな機器で見られるようにしたりすること。一番やりたいのは、ホームサーバで集中管理すること。DVDやBlu-ray、映画などが何百本も入っていて、そこから選びたいものを選んで再生する。そんな社会をつくりたいが、そこに対してなかなかできない」と現状の問題点を指摘する。
現状のビジネスとして、デジタル化によるさまざまなルールや規制を背景に、デジタル用のキャプチャーボードの販売台数はアナログ用キャプチャーボードの数分の一という。
「著作権保護の問題から少しは変えないとならないかもしれないが、アナログ時代にできたことはデジタル時代でもできないとならないのではないか。そうしなければ、われわれのビジネスは伸びない。海外では著作権保護もかかっていない。画質はどう考えても日本が世界最先端を走っていると思う。しかし、手足が縛られて何もできない一方で、欧州や米国では多チャンネルではないが、ハイビジョン化も始まってきている。このままでは日本がダメになってしまうという不安や不満がある」(牧氏)。
日本のメーカーがワールドワイドにおいてテレビのシェアで苦戦していることを例にし、「(海外では)コンテンツそのもののクオリティが悪いのに、画質がいいといって売っても負けてしまう。価格を重視してつくらないとならないのではないか。値段で勝負したLGやサムスンが大きな力を持ってきた。翻ってみると、日本の家電メーカーは日本のユーザーのことを考えていないのではないか。だから海外で失敗するんじゃないか。著作権に考慮しつつ、ユーザーの声をいれなければならない。1社1社行っても『相手にならん』と、門前払いを食う。なにかやらないと、われわれも沈没する。ガラッと成功するとは思っていないが、ユーザー志向に力点を置いているのでマスコミのみなさんにも支持していただけるのではないか」(牧氏)と熱く語った。
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