Appleが中国で「iPhone」の販売を開始してから約1カ月後の現地時間11月28日、韓国でも以前よりたびたび報道されてきたiPhoneの発売が始まり、アジアにおけるiPhone市場が拡大した。
iPhone発売の際は何時間も前から列を成して待つという慣習に従って、ソウルのオリンピックスタジアムの外側には、何百人もの人が騒々しい音楽とストロボの光の中でiPhoneを一刻も早く入手しようと前日の夜から列を作った。この騒ぎは、iPhoneの中国での控えめなデビューに完全に勝っているようだった。中国では10月に寒さと雨の中でiPhoneが発売されたが、それを買うために集まった人々の数は予想よりも少なかった。
韓国で2番目に大きい携帯電話会社であるKT Corp(首位はSK Telecom)と地元のiPhone販売業者によれば、約6万5000人がiPhoneを先行予約したという。iPhoneは、韓国政府が販売を承認した2カ月後に同国市場で発売された。
韓国の携帯電話普及率は高く、国民の約93%が携帯電話サービスに加入している。しかし、コストの高さやアプリケーションの不足、携帯電話会社が設定している高額なデータ料金のために、スマートフォンはまだ本格的には普及していない。
Canadian Pressのよれば、KTの最高戦略責任者(CSO)であるYang Hyun-mi氏は、「iPhoneが引き金となって、韓国に本格的なスマートフォン市場が誕生することをわれわれは期待している」と話したという。スマートフォンが韓国の全携帯電話に占める割合はわずか1%である、とYang氏は述べた。
KTは、月額サービス料金が4万5000ウォン(約38ドル)のプランの加入者に対し、32Gバイトの「iPhone 3GS」を39万6000ウォン(約338ドル)で販売している。月額サービス料金が6万5000ウォン(55ドル)のプラン加入者は、26万4000ウォン(225ドル)でiPhoneを購入することができる。13万2000ウォン(113ドル)の基本料金に基づく月額プランに加入したプレミアムユーザーは、無料でiPhoneを入手することが可能だ。
一方、8GバイトのiPhoneについては、月額4万5000ウォンのプランに加入したユーザーは13万2000ウォンで購入することができる。
KTはiPhoneの販売台数について、20万〜50万台になると予測している。実際にそれだけの台数が売れれば、韓国の携帯電話市場の再編が起こるというのが大方の予想だ。Wall Street Journalによれば、韓国放送通信委員会(Korea Communications Commission:KCC)は長年にわたり、細かな規則を用いて競争を抑圧し、SamsungやLG Electronicsといった自国の大企業が市場を支配できるようにしているという。
Samsungはすでに8Gバイトのスマートフォン「Omnia 2」を4万4000ウォン(37.50ドル)値下げして92万4000ウォン(788ドル)にしたという、コスト意識の高い消費者にとってはうれしいニュースも届いている。
下の動画は、韓国で放送されているiPhoneのテレビCMだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス