ヤマハでは11月5日、電子楽器「TENORI-ON(テノリオン)」に、スタンダードタイプの「TNR-O」を発表した。12月1日から楽器店を中心に全国で発売する。価格はオープンだが、店頭想定価格は7万円前後となる。
TENORI-ONは、2008年5月に発売された新インターフェースを持つ電子楽器。メディアアーティストの岩井俊雄氏とヤマハのコラボレーションにより開発された。縦横各16個のLEDボタンを操作することで直感的に演奏できるという。
PA・DMI事業部DMIマーケティング部 部長の武永伸一氏は「スタンダードモデルの投入により、今まで以上に広い層の方に楽しんでもらえるのではないかと考えている。新製品は新提案かつ経済合理性のとれた製品だととらえている」とスタンダードモデル発売の意義を話した。
TNR-Oは、現行機の白色LEDからオレンジLEDへと変更したほか、プラスチックのフレームを採用。両面に配置されていたLEDを片面のみにするなど、使いやすさを重視したという。
本体には「Score」「Randam」「Draw」「Bounce」「Push」「Solo」と6つのモードを備え、組み合わせていくことで演奏が可能。SDカードスロットも装備しているため、PCで作成したサンプリング音をTENORI-ONへ取りこめる。
現行機「TNR-W」は、白色LEDを両面に配置し、フレームにもマグネシウム合金を採用した本格的モデル。2008年には文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門で大賞を受賞、2009年には「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」のパーマネントコレクションに選定されるなど、製品内容、デザインともに評価を得ている。
ヤマハのウェブサイトのみという限定販売で、現在全世界で7000台、日本国内では1500台を販売したとのこと。価格は12万1000円で、今後もTNR-Oと併売される。
EKB・LM営業部営業推進室 室長の大村一弘氏は「音楽人口は増えているが、楽器人口はそれほど増えていない。新製品はまさしく音を楽しむツール。練習しなくも感覚的に演奏できる。こうした直感的に操作できる楽器が音楽の入り口となって楽器人口が広がることを期待している」とTENORI-ONへの期待を話した。
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