メディア関連のソフトウェアを開発するRealNetworksは、同社のDVDコピーソフト「RealDVD」の販売を差し止めるとした連邦地裁の決定を覆すべく、控訴することを表明した。
RealDVD(価格は30ドル)は、DVDのデジタルコピーを作成しハードディスクへの保存を可能にする製品だが、連邦地裁は8月に同製品の販売を禁止する仮差し止め命令を出した。シアトルに本社を置くRealNetworksは裁判所に提出した文書で、11月9日までに連邦第9巡回区控訴裁判所に控訴すると記している。
映画会社側は2008年に起こした訴訟で、RealDVDおよび「Facet」(映画をコピーし保存するRealNetworks提案のDVDプレーヤー)が、著作権法に違反していると主張した。連邦地裁のMarilyn Patel判事は、RealNetworksと映画会社、双方の弁論を聞いたのち、映画会社側の主張を認める判断を示した。
証言の聴取後に下された、RealDVDとFacetの販売停止を命じるPatel判事の決定は、ハリウッドにとって重要な勝利だった。これに対し批判派は、DVDプレーヤーの機能に関する絶対的な統制権を映画会社に与えるとして反発している。これは映画会社にイノベーションの阻害を許す決定だというのが、批判派の電子フロンティア財団(EFF)などの主張だ。
一方、映画産業を代表する業界団体のアメリカ映画協会(MPAA)は、自らもテクノロジ企業と緊密に協力し、映画や番組の合法的な配信に取り組んでいるとして、同団体がイノベーションの敵だとの批判を否定している。
また、この訴訟は、消費者が自らが所有する映画のディスクからデジタルコピーを作成するフェアユースの権利を持っているか否かを判断する材料になるともみられており、この点からも差し止め命令の審理は多くの注目を集めた。しかし、Patel判事は差し止め命令の中で、この問題については判断を避けた。
ここで留意すべきことがある。控訴とテクノロジを専門とする弁護士のDenise Howell氏によると、今回のRealNetworksの控訴は差し止め命令のみを対象としており、控訴の判決が出るまで審理が延期されない限り、もとの裁判自体は陪審審理へと移行するという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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