今週、Appleにとってまた良いニュースが入ってきた。消費者が高価なコンピュータを購入する場合、Apple製品を選んでいるという。
これは、NPD Groupが発表したPC市場の6月の集計によるものだ。NPDによると、小売で販売された1000ドル以上の全コンピュータの91%がMacであった。この数字は、5月の88%をやや上回っている。Appleは明らかにこの市場を握っている状況だが、6月初旬に行ったMacBook Proラインアップの価格引き下げが寄与しているようだ。Appleは米国時間7月21日、景気後退と価格に敏感な消費動向にかかわらず、2009年4月から6月までの3カ月間にMacの販売が前年同期比で13%増加したと発表した。
もちろん、999ドルで売られているプラスチックの白い「MacBook」と「Mac mini」を除き、Appleが販売しているコンピュータはすべて1000ドル以上であるため、この市場をAppleが占有しているという調査結果は不思議ではない。熱狂的なファンがカスタマイズして通常オンラインで購入するゲーム用PCは1000ドルを優に超えるが、これらはNPDの数値には含まれていない。しかし、NPDのアナリストStephen Baker氏は、全コンピュータの3分の2は小売りで販売されているため、この数値はPC市場で何が起こっているかをほぼ正確に示していると指摘する。
現在、ネットブック現象により低価格志向に拍車が掛かっているため、Windows PCの平均販売価格はかなり下がっている。米国の小売りでのWindows PCの平均販売価格は515ドルであるのに対し、Mac平均販売価格は1400ドルだ。
これは、Appleの最高業務責任者(COO)であるTim Cook氏が今週の決算報告で述べたコメントを裏付けているようにも見える。このコメントの中で同氏は、400ドルや500ドルでは高品質のノートブックは製造できないと考えているため、Appleはネットブックを絶対に製造しないと強調している(「わたしたちは、これまで常に行ってきたことに注力するつもりだ。Macは過去19四半期中18四半期にわたり市場を拡大してきた。これは、わたしたちのアプローチが正しいことを示していると思う」)。
本当だろうか?
NPDのBaker氏は、Apple全体の業績は順調だが、データに基づくと、Macのビジネスにとって999ドル以下の製品を拒否することは耐えられないだろうと考えている。
Baker氏は、「Appleのバリュープロポジションにかかわらず、消費者は低価格志向になっている。しかし、Appleは成長の見込めない、1000ドル以上のセグメントでますます多くの市場を得ている」と述べた。
米国での小売りデータによると、6月に低価格のMacBook Prosが登場するまで、Appleのノートブックの販売の伸びが2月から5月まで実際に低下していた。これが、価格引き下げの理由を物語っている。
しかし、Baker氏は、Appleはネットブックを作らないにしても、市場シェアの伸びを維持したい場合、「意外に早く」ローエンドのノートブックの価格を799ドルに下げる必要があるのではないかと信じている。そして、Appleはこの分野で前例があると述べた。
同氏は初期の「iPod classic」から低価格の「iPod shuffle」への拡大路線を指摘しながら、「Appleは方法を知っている。iPodでそうしたように、売れ筋の価格帯をすべてカバーする新製品(iPodモデル)を戦略的に投入して展開を続けた」と語った。「彼らはこういったことに長けている」(同氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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