Appleは米国時間7月21日、東芝に対しフラッシュメモリチップの代金として5億ドルを前払いしたことを明らかにした。これは市場が安定してきていることを示すニュースといえる。
Appleの最高執行責任者(COO)であるTim Cook氏は、同社の決算を報告した21日の電話会議の中で、「NANDフラッシュ市場は安定し始めている。わたしたちは同市場がわずかながら需給の不均衡に向かうと見ている」と述べた(この会議の内容は、オーディオウェブキャストとしてAppleのウェブサイトで公開されている)。このニュースは、Reutersでも報道されている。
「東芝への前払いについて説明すると、われわれが東芝と結んだ長期の供給契約の契約条件の一部として、東芝に5億ドルを支払った」とCook氏は述べた。「フラッシュはAppleにとって非常に重要なコンポーネントだとわたしたちは考えている。なぜなら、わたしたちは自社製品の多くでフラッシュを使用しているうえ、世界的に見て、相当な割合のフラッシュを使用しているからだ」(Cook氏)
NANDフラッシュは、「iPod」のようなデジタルメディアプレーヤー、「iPhone」のようなスマートフォンなど、さまざまな消費者向け製品でデータを記憶するのに使われる。この2年間、東芝やMicron Technologyなどのフラッシュチップメーカーは、フラッシュメモリの深刻な値崩れに苦しんできた。
Micronと共同でフラッシュチップを製造するIntelも、価格の回復を認識している。IntelのNAND Products Groupのマーケティングマネージャーを務めるTroy Winslow氏は今週、電話インタビューの中で、「1年間で、価格は50%以上伸びている」と述べた。Winslow氏は、直物市場におけるフラッシュメモリチップの価格について話していた。「これは、業界にとってとても好ましいことであり、当然、わたしたちはその恩恵を受けている。そして、わたしたちの事業は非常に上手くいっている」とWinslow氏は話した。
Avian SecuritiesのマネージングパートナーであるAvi Cohen氏によれば、たとえ直物市場でフラッシュメモリの価格が上がったとしても(これは、メーカーにとっては歓迎すべきことである)、それが必ずしも消費者が購入する際の価格上昇につながるわけではないという。「コンポーネント(フラッシュチップ)が3カ月前の50%以上に値上がりするかといえば、そんなことは絶対にない」とCohen氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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