SAMSUNG mobileは7月16日、6月にシンガポールで行われたイベント「CommunicAsia 2009」で展示した端末を日本国内で初公開し、新端末の説明会を開催した。
サムスンテレコムジャパン 端末営業部 部長のOH CHANGMIN氏は、「最近アジアの技術力、根気強さ、モノにする応用力、多岐にわたる経済力が世界で認められるようになってきている。サムスンも日本のお客様に認めてもらいたいと思っている。適当に売っているのではない。サムスンの哲学、企業精神、モノへの思い、企画がある」と挨拶。
一方で、日本の端末とサムスンの端末の間にギャップがあることも認め、「それを埋めていくのが日本のスタッフの仕事。まだギャップがあるが、サムスンが何をしてきたか、どうしようとしているかを知ってほしい」と話した。
SAMSUNG mobileではこれまで、「Select&Focus(選択と集中)」を徹底してきたという。デザイン性や世界の最先端の技術をどこよりも先に出すことにフォーカスしてきたが、これからはトップメーカーとして目指す方向を変え、“ライフスタイル”をセグメンテーションし、それぞれのセグメントに向けて各端末を出していくという。
SAMSUNG mobileは現在ワールドワイドで10兆円弱の売り上げがある。2004年から2008年まで成長を続けている。これについて、「なぜこのように成功できたのか質問を受けるが、ITの世界はお客様のニーズが速く変わる。それにいろいろな方法で対応し、お客様に認めてもらうこと」とした。
モバイル市場のマーケットシェアを見ると、およそ40%のシェアを持つNokiaは、その他のメーカーに大差をつけてトップシェア誇っている。そんな中、Motorola RAZRの投入によって2006年に20%を超えるシェアまで伸ばしたのがモトローラだという。
これについてOH氏は、「市場はずっとNokiaとその他(のメーカー)だった。Motorolaはすばらしく、一時はNokia、Motorola、その他となったが、気を抜いたのか今は6%程度。そこでがんばっているのが弊社だ。現在、18.7%のマーケットシェアで、直近データでは弊社が20%を達成している。そのうちマーケットは、Nokia、Samsung、その他、と言うのではないか。マーケットで認めてもらえるのは嬉しいこと」とコメントした。なお、サムスンにおける2008年の実売台数は1億9600万台にのぼるという。
Nokiaについては、「年間4億台の端末をつくるので、安く調達する力はすばらしい。モノを安く作って安く売るのはほかの会社はかなわないだろう。安いものを安く売るのではなく、ローエンドカテゴリの中でもプレミアムの価値をつけたい。プレミアムというと高いものばかり考えるが、いろいろなセグメントがある。それが目指す方向」と話した。
いずれも日本での発売は未定だが、Googleの「Android」を搭載した「Samsung GALAXY」や「OMNIA II」、「Samsung Jet」の特徴を説明した。
Samsung GALAXY(I7500)は、同社では初となるGoogleのAndroidを搭載したフルタッチ式携帯電話だ。3.2インチ有機ELディスプレイに加え、厚さ11.9mmのスリムボディが特徴だ。さらに8Gバイトのフラッシュメモリ、microSDHC拡張スロット、500万画素のカメラ機能を搭載している。下り最大7.2Mbpsの高速通信を実現し、Bluetooth 2.0、Wi-Fi接続などが可能だ。
Window Mobile 6.1 Professionalを搭載したOMNIA IIは、スマートフォン「OMNIA」シリーズ4端末の中でも、ハイスペックな機能を盛り込んだオールインワンモデルと位置づけられている。
有機ELディスプレイとしては世界最大の3.7インチを採用し、最新のユーザーインターフェース「Touch WIZ 2.0」により、正確なタッチ操作を実現したとしている。
「スマートフォンではないがスマートフォンで求められる機能をめざして開発した」(OH氏)というSamsung Jetは、従来の携帯電話が持つ操作性とスマートフォンの高機能を両立させたフルタッチ式端末だ。3.1インチのWVGA有機ELディスプレイを採用している。800MHzの高速プロフェッサを搭載したことにより、タッチの応答速度が向上したほか、Touch Wiz 2.0を採用したことで、より直感的で快適なタッチ操作になったという。
このほかにも9月に発売を控えるEMPORIO ARMANIとのコラボレーション端末「NIGHT EFFECT」ほか、すでに海外で発売しているadidasやBang&Olufsenらとのコラボレーション端末を披露した。
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