家電製品にワイヤレスで電源を供給するシステムの実現に向け、総務省が電波の周波数帯割り当てなどの方針を定めた「電波法」の改正作業に着手する。5月29日、総務省の「電波政策懇談会」の報告書案が公開された。
報告書案によると、新たな無線通信技術の登場や電波利用範囲の拡大により、国内における電波のトラフィック量は現状のままだと2020年までに200倍以上に増大すると予測される。また、無線技術のさらなる高度化により、2010年代には電波のさらなるブロードバンド化が見込まれ、新たな産業や雇用の創出、環境・エネルギー分野への無線技術の活用が期待されるとしている。
そこで、2010年代の電波利用システム、サービスの将来像として「ニューブロードバンドフロンティア」「ユビキタスフロンティア」「グリーンフロンティア」の3つを柱に、新たな創出が期待できる5つのサービスを掲げている。
そのうちの1つが「家庭内ワイヤレスシステム」。テレビとビデオの接続など家電機器間のワイヤレス接続のほか、ワイヤレスで家電機器に電源を供給し、コンセントフリー住宅を実現することを目指す。
しかし現行法では10mWを超える無線電波の出力には、総務省への無線免許の申請が必要となっている。そのため総務省では今後、同システム用に60GHz帯、70GHz帯、120GHz帯を割り当てるほか、電源供給用にVHF帯とマイクロ波ISM帯を配分する方針で、2010年にも電波法を改正するとのことだ。
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