HTC Nipponは5月20日、NTTドコモの夏モデルとして発表した「Android」搭載端末「docomo PRO series HT-03A」の説明会を開催した。
HTC Nippon代表取締役社長のデビッドコウ氏は、まずHTCにおける2008年を振り返り、グローバルで年間1200万台の端末を出荷したとした。
2008年10月には、世界初となるAndroid端末「T-Mobile G1」を発売。Windows Mobileを搭載したスマートフォン「Touch Diamond」「Touch Pro」も発売から3カ月で100万台以上を出荷するなど好調で、売上高は対前年比で28.7%増。今年も第1四半期、第2四半期とも順調で2桁成長を見込むとし、好調ぶりをアピールした。
HTCは、Windows Mobile端末とAndroid端末の両方に力を入れている。その理由として、「Windows MobileとAndroidは補完するもの。それぞれメリットと特徴がある。Windows Mobileは、OutlookやカレンダーなどPCとの同期、Word、Excel、Power Pointとの互換性を持つ。それぞれセグメントや年齢も異なるユーザープロフィールがある。複数の端末を提供してさまざまなユーザーのニーズに応えていく」と説明した。
一方で、G1も10万台、30万台といった大規模な事前発注が相次ぎ、数カ月で100万台を超えたと話す。
また、G1のユーザー属性についても明らかにした。G1ユーザーの80%は毎日インターネットをしているほか、Androidマーケットから平均約40以上のアプリをダウンロードしているという。さらに約50%のユーザーが、毎日Wi-Fiを利用しているという。
音声中心の携帯電話と比べて50倍のデータ通信を行っており、大半のユーザーは最低週1回はFacebookやYouTubeを使っているとした。
「これは、新しいタイプのユーザーで、現在の米国のトレンド。まもなく日本のユーザーもこのような革新が起きるだろう」(デビット氏)とした。
日本でNTTドコモから6月〜7月に発売される予定の「HT-03A」は、Android端末の第2弾となる「HTC Magic」をベースにしたものだ。2009年2月にGSMA Mobile World Congress(MWC)で発表された。現在、Magicは欧州、台湾で発売されている。
HT-03Aには「ケータイするGoogl」というキャッチコピーが付けられた。Google検索はもちろん、Google マップ、Gmail、YouTubeといったGoogleのサービスが1台で簡単に利用できるのが特徴だ。「地磁気センサー」を搭載し、自分の向いている向きに合わせて上下左右360度映像が表示される「ストリートビュー」が利用できる。
Androidは、オープンソースの携帯電話プラットフォームだ。ライセンス料がかからないというメリットがある一方で、「OSは無償でも、ハードウェアやサービス、アプリの開発にはコストがかかる。初期の開発コストは想像以上に高いもの。従来のOSのライセンス料が占める割合は少ないため、大きな差はない。したがって無償のOSだからハードウェアが廉価ということではない」と語る。
なお、HTC MagicとHT-03Aについて、「ハードウェアは同じ」とした。同じハードながらも日本での発売が若干遅れた点については、「日本語に訳したユーザーマニュアルを作った。ユーザーや通信業者の要件テストにそれなりに時間がかかる。ネットワークの設定は国ごとに異なり、アンテナなど技術的な目に見えない部分で相違がある」としている。
HTCは、日本に参入して3年になる。「キャリアのニーズ、日本のユーザーが求めているものを把握できている。この経験を生かし、短期間で開発して製品を投入できている」と自信を見せる。
日本市場は、重要な地域の1つという。「開発期間を短縮しできるだけ早く製品を届けたいと思っている。新しいデバイスを使うために、半年待たなければならないようなことはしたくない。それがHTCだ。過去の製品に関しては、どうしても日本はほかの地域よりも遅れてしまった。十分な経験を蓄積した結果、平行して開発ができるようになり、日本に対してリソースを供給してデバイスに取り組んだ。キャリアと密に最短の期間で日本市場に尽くしていきたい」と語った。
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