ニコンイメージングジャパンは4月26日、ブロガーを対象に、発売に先駆けてデジタルカメラD5000に関するセミナーイベントを開催し、プロダクトマネージャーらが開発秘話などを披露した。
このイベントは、家電のクチコミ情報に特化したソーシャルブックマークサービス「みんなのポスト(みんぽす)」を運営するWillViiとの協力によるもの。WillViiが抱える「モノフェローズ」と呼ばれる一定のページビューを持つブロガーが対象だ。
ブロガーたちはセミナーの様子を自身のブログに掲載するため、それぞれ手持ちのカメラを持参していた。メーカーを見てみると、ニコンのカメラを手にして参加しているブロガーも3分の1程度いる。ある女性ブロガーは「まだ一眼レフ歴は1年半ぐらい。今日は発売前の新製品が見られるということで来てみた。しかもこんなにゆっくり触れられるなんて滅多にない機会」と顔をほころばせる。
D5000の撮影会も兼ねた会場は都内にあるオープンエアのパーティルームだ。ブロガーを対象にしたイベントとして独自の工夫を凝らし、テーブルの上のケーキや花、キャンドルなどはD5000の特徴の1つとなる多彩な撮影モードを体験できるよう、スタッフが考えて揃えたという。製品を貸し出さない代わりに、D5000で撮影した画像や動画を自由に持ち帰れるよう配慮した。
D5000の説明をするのは、D5000のプロダクトマネージャーなど3人の開発者たちだ。ブロガーにとっては、開発者から話を聞ける貴重な機会となり、開発者にとっても数々のレビューをこなしてきたブロガーたちの率直な意見を聞けるチャンスと言えるだろう。
「まとめ上げるのは一苦労だった。(チームには)ニコンはこうでないと……というこだわりを持っている人も多い。デジタルカメラのリーダーをやるのは初めてで張り切ってしまい、自分で自分の首をしめて苦労した」──D5000のプロダクトマネージャーの田澤昌氏は、まとめ上げた苦労を隠さず語る。
1986年の入社から幻のカメラと言われる一眼レフタイプの電子スチルカメラ「QV-1000C」のメカ設計担当などを務めた後、1992年にフィルムスキャナのメカ設計、2002年にコンパクトデジタルカメラの商品企画担当となり、無線LANを搭載した「COOLPIX S50c」など数々のコンパクトデジタルカメラを手掛けた人物だ。
1993年の入社以来、一眼レフボディの開発に関わってきたというD5000メカニック担当、プロダクトサブマネージャーの渡辺剛氏は、「一眼レフカメラの開発をしたくて入社し、入社当初からできたラッキーな経歴。趣味で天体写真を撮影しているので、お客様の気持ちがよくわかる。天体写真は撮影していると腰が痛くなる。このD5000は天体写真撮影のために作ったともいえるかもしれない」と笑いを誘った。
「ニコンにいると一眼レフを使っていると思われるが、本当はコンパクトカメラばかりだ。でも、コンパクトカメラの使いやすさを一眼レフカメラに展開できないかを考えている」と電気回路設計を担当するD5000のプロダクトサブマネージャーの大貫正夫氏は明かした。1989年の入社からプリンタやスキャナーの電気回路設計を担当。1995年からニコン初のデジタルコンパクトカメラやデジタル一眼レフカメラの電気回路設計を経て、D5000を担当した人物だ。
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