レノボ・ジャパンは12月3日、Atomプロセッサ搭載のコンシューマ向けウルトラモバイルPC(UMPC)「IdeaPad S10e」を発表した。12月6日より主要家電量販店で販売される。価格は5万4800円。
国内に投入するIdeaPad S10eのカラーはホワイト、ピンク、ブルーの3色。まずはホワイトのみを販売開始し、ピンクとブルーは2009年春に投入予定だ。
IdeaPadシリーズは、レノボ・ジャパンとして初となるコンシューマ向け製品だ。すでに海外では発売されており、日本での発売が待たれていた。
今年、発足から3年目を迎えたレノボ・ジャパン。マーケティング&広報本部長執行役員の原田洋次氏は、「ThinkPadはハイエンドな個人ユーザーにもニーズはあるが、あくまでも法人向け。今年は成長への飛躍の年として、最後にコンシューマ市場に参入を発表する」と意気込みを見せた。
この時期になったことについては、「納得できるものを発表しようと思った。販売店の意見も取り入れ、すべてを見極めた製品。UMPCの中では、一番ニーズのあるスペックにし、他社に負けない値付けをした。このセグメントの中では、詰め込めるものはすべて詰め込んだ。今後、競合が出てきたら、それに反応して一番いいスペックを維持していく」と随時マイナーチェンジしていく方針を明らかにした。
レノボ・ジャパンが重視したのはスペックとサポートだ。SSDよりもハードディスク(HDD)のほうが需要が高いと、160GバイトのHDDを装備した。標準で6セルバッテリを搭載することにより、5.3時間駆動する。競合となるネットブックの中でも2番目となる長時間駆動だという。重さは6セルの標準バッテリで1.38kg。オプション3セルのバッテリを使うと1.25kgになり、軽く薄くなる。
OSはWindows XP Home Edition SP3、CPUは、インテルAtomプロセッサ N270、1Gバイトのメモリを搭載する。LEDバックライト付きの10.1インチ液晶、ウェブカメラ(130万画素)を内蔵し、2つのUSB 2.0ポート、34mm Expressカード・スロット、4in1メディアカードリーダー、VGAなどのインターフェースを実装した。
購入後のサポートも、月曜から日曜の9時から21時までフリーダイヤルで受けるほか、修理製品引取り後4〜5営業日で返却する、他社よりも早い修理サポート体制が特徴だという。
研究開発は、日本の大和事業所と北京・上海、米国のラーレーの3国で行ったという。中心となる開発は中国だが、長年ThinkPadに関わったエンジニアらを中国に派遣し、開発チームに加わっていたという。
大和事業所 研究・開発 第二製品開発部長の城下哲朗氏は、「海外で出しているIdeaPadシリーズそのまま持ってきたのではないかと思う人もいるかもしれないが、開発の責任は大和事業所」とThinkPadの開発拠点として知られる大和事業所もかかわっていることをアピールした。
品質については「基本となるのはレノボのスタンダード。海外で販売しているIdeaPad S10をベースに、日本向けにThinkPadと同じ生産設備、生産ライン、品質基準で生産するなどした。ThikPadのクオリティ基準から不要なところは取り除き、安くしたとも言える」と日本向けに作ったものだと強調した。
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