キングジムは10月21日、テキストの文字入力に特化したデジタルメモ「ポメラ(pomera)」を11月10日より発売すると発表した。価格は2万7300円。カラーはパールホワイト、プレミアムブラック、トワイライトオレンジの3色。初年度目標販売は3万台。
ポメラは、文庫本サイズ(幅145mm×奥行き100mm×高さ30mm)の本体に、折りたたみ式のキーボードと4インチのハイコントラストTFT液晶(640×480)を装備している。バックライトはついていない。重さは約370g(乾電池別)。
キーボードはパンタグラフ式で、キーピッチは約17mm。ATOKを搭載するなど“文字入力のしやすさ”にこだわったツールとなっている。ATOKは、入力操作をMS-IMEスタイルにもできる。辞書学習機能もあり辞書登録もできるが、PCですでに使っている辞書ツールの連携はできない。駆動時間は、単4乾電池2本で約20時間。
作成したデータはテキスト形式(.txt)で保存される。内蔵メモリは128Kバイトで1ファイルあたり約8000字のファイルを6ファイルまで保存できる。micro SDにも保存できるが、1ファイルあたり8000字の制限は変わらないという。文字制限については、「技術的な問題はないが、原稿用紙20枚程度の文字量のため、メモとしてはそれぐらいあればよいのではないかと思った」(キングジム 開発本部 電子文具開発部 開発課の立石幸土氏)という。メモリ内のデータは、micro SDに書き出すか、ポメラとPCをUSBケーブルで接続して転送する。
同社の調査によれば、ビジネス文書のほとんどはPCで作られているが、社外での打ち合わせやメモをとる場合には手書きするケースが多かったという。出張などでPCを持ち歩いている人は約4割いるが、持ち運びが不便、起動/終了時間がかかるなどの不満点を持つ人が多く、手書きのメモは手軽だが、捨てるタイミング難しい、字が汚くて読めないといった問題点を抱える人が多かったとした。
携帯電話やPDAなども入力という点で快適とは言い難く“書くことにこだわったツール”はこれまでになかったとして、新しいビジネスツールを開発するに至ったという。金属のパーツを多用しており、75cmからの落下にも耐えられるという。
キングジム常務取締役で開発本部長の横田英人氏は、「出張に出るビジネスマンが、自分の仕事をしやすくするために自腹で買うツールとして、3万円を切るものにしたかった」とターゲットと価格についてコメントした。
なお、ポメラ本体にあわせ、リサイクルレザーを使用した専用ケースも5040円で販売される。手書きのメモがとりたいときのために、3Mポストイットノートを付けたという。
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