ニコンは、10月7日、動画や音楽などを再生できるヘッドホン型プレーヤー、メディア ポート「UP(ユー・ピー)」を発表した。
UPは、ディスプレイ、ヘッドホン、モバイルAVプレーヤー、Wi-Fi通信などの機能を一体化。ハンズフリーで音楽や映像を楽しめるのが特徴だ。「視聴覚を1台で提供する究極のモバイル機器」とニコンは説明する。動画再生フォーマットは、WMV(Windows Media Video)9、MPEG1、MPEG2。音声フォーマットは、MP3、WMA(Windows Media Audio)9に対応している。
ディスプレイには、ニコンがこれまで培ってきた一眼レフカメラのファインダーや眼鏡レンズの技術とノウハウを集結。液晶表示部やバックライト、液晶表示の拡大には、新開発した密着複層型DOEレンズを採用している。このレンズにより、3m先で51型、1m先で17型相当のクリアな映像を再現し、従来のレンズと比較した場合、重さ約1/7(当社設計比)の軽量化を実現したとしている。
Wi-Fi通信により、インターネットに接続し、ウェブサイトの閲覧やコンテンツのダウンロードが可能だ。UPのユーザーを対象にした動画コンテンツ配信サービス「UPLINK」も開始する。PCソフト「UPlink」を使って番組をダウンロードし、好みの番組をUPに転送して閲覧するしくみだ。また、UP本体で無線LANを経由し、コンテンツをストリーミングで視聴できる「UP stream」も配信予定だ。
本体には、三洋電機製の単3形エネループ2本が付属する。連続再生時間は、動画が約120分、音楽は約270分。
UPがターゲットとするのは「先進高感度層」として、自己実現意欲や自己発信意欲が高い、25〜35歳の男性で、会社員やクリエーターという。
ニコン取締役兼専務執行役員で映像カンパニープレジデントの木村眞琴氏は、「約60年、写真文化の中にどっぷりと使ってきている。写真をよく知るメーカーとして、写真をいかに楽しんでもらうかをコアにしてネットを使ったサービス事業を拡大していく。カメラブランドからデジタルイメージングブランドへ変わっていきたい」と語った。
UPの名称の由来は、Universal Port、Ultimate Player、U(your)Partner/Plasureの略だという。ニコンがこれまで取り組んできたカメラなどの「入力」の製品に加え、プレーヤーを出すことで「入力から出力までのフレームができた」と意気込みを見せる。
今回、ヘッドセット型のプレーヤーを選んだ理由について、「ヘッドセット型は過去にうまくいっていなかったことは知っているが、ブレークスルーするための仕掛けを盛り込んだ。視聴画質は大きなポイントで、ネットとのリンクも一歩ブレークスルーができたのではないか」としている。
価格は、4Gバイトメモリを内蔵した「UP300」が5万9800円。8Gバイトのメモリと、頭を上下左右に動かすだけで音量などを操作できる「モーションセンサー」を内蔵した上位モデル「UP300x」が6万9800円。
10月15日10時よりインターネットで予約を開始し、12月中旬より出荷する。当面は同社のオンラインショップ「UPSTORE」のみの販売で、徐々にマーケットを広げていきたい考えだ。
実際にUPを体験できるコーナー「UPLAB」を、表参道ヒルズのイベントスペースにて10月8日から12月7日まで設置する。このほかにもプレミアムアウトレット土岐、御殿場のニコンダイレクトストア各店、ニコンプラザ銀座などに体験コーナーを設置予定だ。
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