Appleの「iPod nano」の薄くて丸みのある新しいディスプレイのリーク画像を最初に見たとき、正直なところ、疑わしいと思っていた。第1、第2世代のiPod nanoのデザインに戻るのはAppleらしくなく、ゆるやかにカーブした形は少し奇妙に思えた。しかし、実際に第4世代iPod nanoを手に取ってみて、2007年の正方形に近いデザインこそが不格好で、iPod nanoの開発の歴史においてすぐに忘れ去られてしまうものだと思い始めている。2008年、AppleはiPod nanoを従来の形に戻し、最薄・最軽量のデザインでありながら、注目すべき機能を搭載した。
8Gバイト(149ドル)、16Gバイト(199ドル)の2モデルを、幅広いカラーバリエ−ション(全9色)で展開する最新のiPod nanoは、価格と機能のバランスが絶妙だ。第4世代iPod nanoは、2007年モデルと同じ高解像度の2インチスクリーンを採用しているが、スクリーンが縦に配置され、丸みのあるガラスで覆われている。ビデオを再生するには、MicrosoftのFlashベースのMP3プレーヤー「Zune」と同様、iPod nanoを横向きにする必要がある。しかし、Zuneと異なり、iPod nanoには加速度センサーが搭載されており、持ち方によってディスプレイの向きが変わるため、簡単に写真を表示したり、Appleの「Cover Flow」ミュージックモードに切り替えたりすることができる。また加速度センサーにより、本体を意図的にシェイクすると自動的に曲がシャッフルされる、新しい「shake-to-shuffle」機能が実現されている(なお、偶然振ってもこの機能は作動しない)。このシェイクして曲をシャッフルする機能は設定でオフに切り替えることができる。また、本体上部にあるホールドスイッチで機能を無効にすることも可能だ。
加速度センサーもすばらしいが、新しいiPod nano(と新型「iPod touch」、「iPod classic」、「iTunes 8」)に搭載された大きな新機能は、「Genius」と呼ばれる新しいインテリジェントなプレイリスト機能だ。Genius機能を使って、コレクションから1曲を選び、音楽的に同じような特徴を持つ25曲のプレイリストを瞬時に作成できる。もちろん、Genius機能のパフォーマンスは、手持ちのミュージックコレクションのサイズに比例するため、メリットは人それぞれだ。しかし、Geniusはこれまでにない新しい機能であり、時間をかけていろいろ試して楽しめるだろう。
そのほか、このiPod nanoには、インラインマイクを搭載したオプションのヘッドフォン(「iPhone」に付属しているヘッドフォンとほぼ同じ)を使って音声を録音できる機能、視覚障害者にとっての使い勝手の向上(フォントサイズの変更、内蔵されている合成音声機能によるメニュー、メディア情報の読み上げ)など、さまざまな機能が搭載されている。音楽、写真、Podcast、ビデオ再生など、従来のiPod nanoの機能は変更されていない。また、ゲーム、アラーム、カレンダー、アドレスデータ、ストップウォッチ、メモなども引き継がれている。
新しいiPod nanoに関するこれまでの唯一の不満は、スクリーンのサイズや機能はほとんど変わらないにも関わらず、Appleが、第3世代iPod nanoユーザーがiPod nanoでGeniusプレイリストを作成できる機能や、使い勝手を向上する機能を利用するためのアップグレードパスを提供していないことだ。そのほかの点では、音質はこれまでのiPodとほぼ変わらず、音楽で24時間、ビデオで4時間というバッテリー寿命も、音楽で24時間、ビデオで5時間だった2007年モデルの仕様とほぼ同じだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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