ソースネクストは8月27日、パソコンソフトをUSBメモリに収録する新たな販売戦略を発表した。ソフトウェアの販売は、かつてはフロッピーディスク。最近ではCD-ROMやDVD-ROM、ダウンロード販売などに変化してきた。
9月5日より第1弾として主力商品7製品をUSBで販売、第2弾として10月3日より13ラインアップを発売する。USB版を「Uメモ(ユーメモ)シリーズ」と名付けた。
いずれのソフトにも1GバイトのUSBメモリ(トランセンドジャパン製)を使用するが、CD-ROM版と同価格。これについて代表取締役社長の松田憲幸氏は、「通常は新しいメディアで販売する場合、映画ソフトがBlu-rayが出たときのように1000円〜2000円高くなる。1GバイトのUSBメモリは、アマゾンで調べても1000円ぐらいする。4980円のソフトの場合5980円としてもおかしくはないが、据え置いた。これによってUSB版が推進されると思う」と意気込みを語った。
現状ではソフトウェアの領域を隠すことなくそのまま入っているという。うっかり消してしまった場合には、ユーザー登録をしていれば、ウェブサイト上からダウンロードできる救済措置もある。
CD-ROM版は当面併売するという。販売店やユーザーの反応を見て変更していく方針。すでに、量販店の発注の割合はUSB版が7割、CD-ROM版は3割程度としており、「思ったよりUメモに変わっていくスピードは高まるのではないかと見ている」(松田氏)と手応えを語った。
USBポートの普及率はほぼ100%、ほとんどすべてのパソコンで使えるUメモは、CD-ROMと比べて価格、速度、使い勝手のどれをとっても欠点がないと自信を見せる。メディアの認識時間からインストール完了までの時間を比較すると、ソフトウェアの容量にもよるが、500Mバイト程度あるホームページZEROの場合でCD-ROM比42%減。ウイルスセキュリティZEROの場合で26%減という。
同社は6月に東証一部に市場変更しており、変更後初の事業戦略説明会だ。2003年にパソコンソフトが日用品のように身近になることを目指す「コモディティ化」戦略を発表。パソコンソフトの低価格化、更新料の無料化、量販店などの専門店だけでなく、コンビニエンスストアでの販売など販売チャネルの拡大などの対策をとってきた。
パソコンソフト全体の販売シェアは、2003年の16.1%から徐々にのばし、2007年では29.9%と業界トップをしていると説明した。
短期的には、今回のUメモにより利益は低下するが、コストダウンの努力、そもそもの販売数量をのばしていくことでカバーするという。また、長期的には、最近価格の安いUMPCが増えており、今年4月のMarket Intellgence Center調べによると、2013年までにCD-ROMドライブを搭載していないPCが25%になるという予測結果もあるという。このタイミングで方向転換し、業界先駆けることがプラスになるとしている。初年度は100万本を目指す。
USBメモリでリリース予定の製品は下記のとおり。
【第1弾、9月5日より発売】
【第2弾、10月3日より発売】
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