オリンパスイメージングと松下電器産業は8月5日、デジタル一眼レフカメラシステムの「フォーサーズシステム規格」を拡張し、小型、軽量化を実現する「マイクロフォーサーズシステム規格」を策定したと発表した。
マイクロフォーサーズシステムは、フォーサーズシステムの撮像素子サイズはそのままに全体を小型化した拡張規格。マウントと撮像素子の間隔であるフランジバックを、現行システムから半分にまで短縮させることでボディのスリム化を、マウントの外径を約6mm縮小することでレンズの小型、軽量化を実現できるとしている。
また、マウント信号の接点を現行の9点から11点へと増加させ、「Live View撮影」の快適化や将来的な動画対応を視野に入れた規格となっている。
両社は、今後はフォーサーズ、マイクロフォーサーズの両輪で製品開発を行っていくとしており、現行フォーサーズシステムとマイクロフォーサーズシステムの互換性に関しては、専用アダプタを用意することで、マイクロフォーサーズシステム採用カメラでの既存レンズの使用を可能とした。
発表会の冒頭に挨拶を行ったオリンパスイメージング代表取締役社長の大久保雅治氏は「2007年、デジタル一眼レフカメラの需要は銀塩カメラの最盛期といわれた1980年前半の市場規模と同じレベルに達した。しかし、デジタルカメラ全体では1億台を突破しており、市場全体から見るとデジタル一眼の市場はまだまだ小さいと言わざるを得ない。
今後のイメージコミュニケーション時代に、デジタル一眼レフの市場拡大を確実なものにするには、市場を活性するさらなる提案が必要だと考えている。私どもは2003年にフォーサーズシステムを提案し、ライブビューや機動力のある本体サイズで、ユーザー層やユーザーの行動範囲を大きく広げるきっかけとなった。今回のマイクロフォーサーズシステム規格の登場により、製品にさらなる磨きをかけ、フォーサーズ、マイクロフォーサーズの両輪で魅力ある製品と提供していきたい」とした。
一方、松下電器産業パナソニックAVCネットワークス社副社長の吉田守氏は「デジタル一眼レフカメラユーザーは多様化しており、初めて持つ一眼レフカメラがデジタル一眼というユーザーが増えてきている。なかでもファミリー層、女性層の需要が拡大してきており、この需要がデジタル一眼レフを成長させているといっても過言ではない。
こうした携帯電話やコンパクトデジカメからのステップアップユーザはまだ潜在需要があると見ており、この層からするとデジタル一眼は、重い、大きい、難しいなどの理由から購入に踏み出せないという実態がある。
マイクロフォーサーズは、こうしたステップアップユーザーに最適な、小型軽量で、使いやすくかつ高画質といった特徴を兼ね備えている。またヘビーユーザーにとってもサブユースカメラとして魅力なシステムになるだろう」と製品化への期待を話した。
両社ともにマイクロフォーサーズシステム規格を採用した製品に関しては「未定」としており、時期、価格等は明らかにしなかったが、「ぜひ、今後の商品開発に大きな期待を寄せていただきたい」(大久保氏)、「新世代の一眼レフデジカメで新たな写真文化の創造に貢献していく」(吉田氏)としており、新規格の搭載製品に対する意気込みを見せた。
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