Appleが米国時間7月10日に「App Store」を立ち上げた際、そこにMicrosoft製アプリケーションがあるかどうか確かめた。
Salesforce.comやOracleのアプリケーションはあったが、Microsoftのアプリケーションは1つもなかった。Microsoftはこれまで、iPhone向けにSilverlightをはじめ、さまざまなアプリケーションや技術を提供したいと主張していたが、差し当たり提供できる製品は何もないようだ。
この件について、Microsoftのモバイル通信事業担当ゼネラルマネージャーのScott Horn氏は「まったく分からない」という。MicrosoftはAppleのソフトウェア開発キットを検討中と述べていたので、仮に同社の一部のビジネス部門、特にOracleやSalesforceの同種部門と競争しているDynamicsグループのような部門が思い切った行動を取ったとしても驚かないだろう。
また別の重要な問題は、iPhoneがサードパーティー開発者に「オープン」となった今、間違いなく発生するであろうさまざまな憶測に同社が今後どのように対処するかだ。
Microsoftは以前から、「Windows Mobile」でオープンプラットフォームを提供してきた。開発者は、Microsoftのハンドヘルドや携帯電話上で動作させたいプログラムの販売や無償配布が可能だ。彼らはMicrosoftの許可を得る必要がなく、またMicrosoftが彼らの利益の一部を要求することもない(この点、AppleはApp Store経由で販売されたソフトウェアの売り上げの30%を受け取るが、その代りホスティングや決済サービスを提供する)。
Horn氏は「われわれには大変に活気のあるエコシステムがある」とし、さらに「われわれが抱えるアプリケーションの数は、他のどのプラットフォームよりも多い。また、より多くの開発者がわれわれを対象にしている」と付け加えた。
ただ、AppleはApp Storeでかなり注目を集めるだろう、とHorn氏は述べている。
Horn氏は「(サードパーティーアプリケーションケーションの数が)0から500に増えると、急成長を遂げているように見える」とした上で、Microsoftは現在、1万8000のアプリケーションを扱っていると付け加えた。
「人々に利用されているアプリケーションや携帯電話の数はわれわれが一番多い。最終的にはその点こそが重要だ」(Horn氏)
Horn氏に、Windows Mobile端末向けにApp StoreのMicrosoft版を開設することが重要と考えているか尋ねた。すると同氏は、Microsoftは(PC向けの)オンラインカタログを設けており、そこで各プログラムに関する情報やアプリケーションを購入可能なパートナーサイトへのアクセス手段を提供していると指摘した。
恐らく、現時点でApp Storeに最も近いのはHandangoと呼ばれるサードパーティー再販業者だろう。Handangoは、Palm OS、Symbian、Linux搭載機だけでなく、Windows Mobile端末向けプログラムも販売している。
しかし、Microsoftにとって本当に問題なのはiPhoneそのものだ。
今のところAppleがユーザーインターフェースやウェブブラウジングといった分野でリードしているのは明らかだ。しかし、MicrosoftはAppleとの差を縮めると見込んでおり、Windows Mobileの次期版「Windows Mobile 7」には、iPhoneと同様のマルチタッチジェスチャ機能が搭載されると見られる。
またブラウジングに関しても、Microsoftは若干の改善を約束しており、2008年末までにWindows MobileにInternet Explorer 6の機能を導入する。
Horn氏は「モバイルブラウジングは非常に重要」としながらも、Windows Mobile 7がiPhoneによって一般化したズームやジェスチャといった機能をサポートするのか否かについては明らかにしなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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