数カ月に渡りメディアで憶測を呼んでいた宏碁(エイサー)の低価格ミニノートPCが、現時時間6月3日、台北で開催中の展示会「Computex」で発表された。
発表されたPCは、予想通り「Acer Aspire One」と名付けられた。「Intel Atom」プロセッサを搭載し、「Linpus Linux Lite」を採用しており、エイサー独自のユーザーインターフェースが組み込まれている。その他の仕様は、8Gバイトのソリッドステートドライブ、512MバイトのRAM、802.11 b/g WiFi、8.9インチスクリーン、標準稼働時間3時間のバッテリなどとなっている。
Aspire Oneは379ドルで7月2日から発売される。また、現時点では価格は未定だが、7月後半には、「Windows XP Home Edition」を採用し、80Gバイトハードドライブ、1GバイトのRAMを搭載したタイプが発売される。
このニッチなコンピュータ市場への参入が増えるにつれて、各メーカーの仕様はだいたい同じになりつつある。今後は、価格や、キーボード、外観のデザインといった細かい部分が差別化の最も特徴的な要素となるだろう。
379ドルのAspire Oneは、大ヒットしている華碩電腦(アスーステック)の「Eee PC」(Linuxバージョンの9インチタイプが549ドル)、LinuxベースのHewlett-Packard(HP)の「Mini-Note」(499ドル)よりも低価格だ。
エイサーは、カラーバリエーションとしてパールホワイトに加えてライトブルーも提供することにしており、ゆくゆくはピンク、ブラウンも提供する計画だ。キーボードは14インチノートPCの標準サイズのキーボードの89%で、Mini-Noteの92%キーボードほど大きくはない。
しかし、直接競合するメーカーと同様、エイサーはAspire Oneのユーザーとして、小中校生とモバイルPCを多用しているテクノロジに詳しいユーザーを想定している。
エイサーは、Aspire OneをPC初心者のゲートウェイ(入門)PCとして利用する計画のようだ(これは駄じゃれではない)
Acer Americaのノートブック製品管理担当ディレクター、Sumit Agnihotry氏は、「Aspire Oneは初めてノートPCを使うユーザーにとって踏み台になるすばらしいデバイスだ」と述べている。そのようにして、子供たちは「デスクトップを完全に迂回して、18カ月足らずでノートPCに(移行)」できる。
そして、エイサーが後々得られるものがあるとすれば、それは移行先のノートPCだ。エイサーのノートPC販売台数はHPに続く業界第2位である。
エイサーは、ミニノートPCが、目新しい物好きの人々にとって、スマートフォン、標準的なノートPCに続く第3のデバイスになると見ている。「これはインターネット中心のシングルアプリケーション以上のものだ」(Agnihotry氏)
しかし、より多くの機能が搭載されたデバイスが求められているのだろうか。それとも、機能が限定されたデバイスだろうか。スマートフォンの特長はいろいろなことができる点だ。379ドルという価格は、エイサーの比較的安価なフルサイズのノートPCと大差ないが、機能が限定されたAspire Oneを販売することで、本当に顧客を獲得できるのだろうか。
Aspire Oneが一般的なPCユーザー向けではないことは明白だ。というのも、新しいPCを購入する際に、最善の機能と最新のプロセッサを求めるのが彼らの常だからである。しかし、エイサーはこれらの顧客は重ならないと見ているようで、Aspire Oneによって、現在のノートPC事業が「共食い」されることはまったくないと予想すると述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」