東芝は12月11日、長寿命・急速充放電などの特性を持つ新型2次電池「SCiB」を製品化し、08年3月から量産を開始すると発表した。産業分野や自動車などを中心に世界的に販売し、2015年度に1000億円規模の売上高を目指す。
「SCiB」は、高引火点の電解液などを採用。内部短絡や熱暴走が起きにくいいため、破裂や発火の可能性が極めて低いのが特徴。50Aの大電流充電が可能なため、SCiBセル、標準モジュールともに、電池容量の90%以上を5分間で充電できる。
5000回以上の繰り返し充放電が可能で、1日1回の充電で10年以上繰り返して使用できる。また、急速充電による約3000回の充放電サイクル後でも、容量低下は10%未満だという。
電池は4.2Ah(アンペアアワー)のセルを10個直列に配列した「標準モジュール」と呼ぶモジュールで構成。標準モジュールには電池特性を最大限に生かすため、電圧・温度監視、異常監視・保護、セルバランス調節などの機能を備えたバッテリーマネージメントシステムを搭載した。
東芝では電動自転車や電動バイク、フォークリフト、建設機械など2次電池の利用が進んでいる分野をはじめ、非常用電源や風力発電での電力回生や、電力品質の安定化などでの用途を見込む。今後はさらに高性能な電池セルの開発を進め、ハイブリッド自動車や電気自動車などでの利用も視野に入れている。
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