ソニーは10月31日、販売の不調が続く「PLAYSTATION 3」(PS3)ビデオゲームコンソール機に関する朗報を受け取った。PS3が新しいギネス世界記録の達成に貢献したのだ。
この記録は、スタンフォード大学のFolding@homeプロジェクトによって達成された。このプロジェクトはPS3などのコンピュータを活用した分散コンピューティングシステムであり、科学者たちがいくつかの重篤な病気における「タンパク質折りたたみ」と呼ばれるプロセスの効果を研究するために使用している。
ギネスは、同プロジェクトを世界で最も強力な分散コンピューティングシステムであると認定したようだ。ソニーのリリースによると、Folding@homeは9月に1ペタフロップスの演算処理を達成した。これは1秒間に1000兆回の浮動小数点演算を達成したことを意味する。一方、Wikipediaによると、有名なSETI@homeプロジェクトは約265テラフロップス(1秒間に265兆回の浮動小数点演算)を達成している。
ソニーを何より喜ばせているのは、Folding@homeの演算能力の多くが何十万人ものPS3ユーザーが使用するゲーム機の余ったCPUサイクルに由来しているという点だ。ソニーによると、60万人以上のPS3ユーザーが同プロジェクトに登録しているという。
あらゆるギネス記録がすばらしいのはいうまでもないが、鳴り物入りで発売されたPS3が発売初年度に苦戦し、次世代ゲーム機戦争では依然としてMicrosoftの「Xbox 360」と任天堂の「Wii」に続く3位に甘んじているだけに、ソニーはPS3プログラムによってもたらされたこの朗報に大いに喜んでいるに違いない。
たしかにXbox 360やWiiはPS3よりも売れているかも知れないが、どちらのゲーム機も実世界の科学に貢献する試みによってギネス世界記録の達成を主張することはできない。
この世界記録はソニーに巨額の売り上げをもたらさないかも知れないが、少なくとも何らかの大きな宣伝の材料にはなるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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