うわさはほぼ真実だった。Sony Europeは新しいエントリレベルの「PLAYSTATION 3(PS3)」が存在することを認めた。新バージョンのPS3は欧州では現地時間10月10日に店頭に並ぶ予定であるが、低価格を達成するためにいくつかの機能が削られている。ハードディスクは40Gバイトと容量が減少し、内蔵フラッシュメディアリーダーも搭載されず、さらにUSBポートも(現行の4基から)2基に減らされる。しかし、最も大きな変更点はPlayStation 2(PS2)用のゲームに対する後方互換性が失われたことのように思われる。ソニーのリリースでは次のように述べてられている。「PS3の新規購入者はPS2に対する後方互換性をあまり重視せず、PS3専用のタイトルも充実してきたことから(年末商戦までにすべてのジャンルで合計65タイトルがそろう)、新モデルでは「プレーステーション2」のタイトルへの後方互換性をなくす」。これは一般的な通念に反するように思われる。というのも世代の新しいPS3ではすでに(PS2のEmotion Engineチップ自体を使用せずに)ソフトウェアエミュレーションによって古いゲームをプレイできるようにしていると言われているからである。一方、明るい話題としては、Blu-ray Disc再生機能、HDMI出力およびオンボードWi-Fiを搭載している点が挙げられる。
40Gバイト版のPS3は英国では300ポンド、欧州では400ユーロで販売される予定だ。従来の60GバイトのPS3(こちらは後方互換性がある)も値下げされ、新しいゲームソフトをバンドルして引き続き販売される。欧州以外の地域では正式な発表がないが、北米でも値下げ版の発売に対する消費者の期待が高まるにつれてPS3の販売が停滞すると見て間違いないだろう。予想される発売価格は400ドルであるが、現在の米ドル安を考えるとかなりの値下げである。
言うまでもなく、PS3はほんの数カ月前に事実上500ドルに値下げしているのだが、いまだに「Halo」シリーズのような熱心なゲーマー向けのヒットを生み出しているわけでもないし、話題性のある(そしてはるかに安い)任天堂「Wii」のように一般消費者の心をつかんでいるわけでもない。最近ではいくつかのヒット(「Warhawk」「Heavenly Sword」)もあるが、「Metal Gear Solid 4」やさらには「Unreal Tournament ?」といった重要な専用ソフトの販売が2008年に延期されており、発売が熱望されているPS3専用ソフトとしては、2007年秋に発売される「Uncharted:Drake's Fortune」だけのようだ。端的に言えば、ソニーにとっては当面の間ゲーマーを刺激し続け、クリスマス商戦には400ドル版のPS3の発売が間に合うと期待させるのが最善の策のようである。後方互換性の問題によって売れ行きが滞るかどうかは今後の状況を見守るしかない。
(まもなく発売が予想される)PS3は400ドルの価値があるか、それとも後方互換性の欠如は致命的か、読者の判断はいかがだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス