ソニーは10月1日、11型の有機ELテレビ「XEL-1」を12月1日より発売すると発表した。有機ELテレビは、電流を流すと光る性質を持つ有機物質をパネルに採用したもので、テレビタイプの製品化は世界初となる。価格は20万円。
発表会冒頭では、ソニー社長の中鉢良治氏が壇上に立ち「有機ELはソニーのリソースを集中して、14年に渡る研究開発の結果製品化された、技術のソニー復活の象徴に位置づけている。今後もこれまでに見たことがない、夢のあるとんがった技術を提供していきたい」と話した。
有機ELは自発光方式であるため、バックライトなどの別光源を必要としないシンプルな設計が特徴だ。今回自社開発された有機ELパネル「オーガニックパネル」は、発光に必要な有機層とそれを挟む2枚の薄いガラス板で形成され、11型で最薄部約3mmという薄型ボディを実現している。
オーガニックパネルは、100万:1以上とされるコントラスト比や輝度に優れ、映像の明暗に関わらず純度の高い鮮やかな色を再現する。
また、動画応答速度に関しても従来の液晶パネルに比べ1000倍程度早いとされる数マイクロ秒を実現。消費電力も同サイズの液晶テレビに比べ、約40%ほど減少させた。
デザインは、薄く、軽いディスプレイ部分をアルミ素材の片持ちアームで支えたシンプルな造形で「浮遊感」を演出。背面は高質感のあるブラックとメタル鏡面を組み合わせ、正面からだけではなく、側面、背面から見ても美しく洗練されたデザインに仕上げた。
外形寸法は、本体スタンド部含みW287×H253×D140mm、重量は2.0kg。パネル解像度は960×540ドットのQHDとなる。地上、BS、110度CSデジタルを各1系統ずつ装備しているほか、「ソニールームリンク」、「アクトビラベーシック」など、テレビのトレンドとなる機能はほぼ網羅した。パネル寿命は約3万時間としている。
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