ゲームイベント「E3 Media & Business Summit」は米国時間7月13日、静かに幕を閉じると思われた。少なくとも出展企業1社が会場のBarker Hangarを既に後にしていた。しかし、同日朝、同イベント最大の論争が巻き起こった。60Gバイト版「PLAYSTATION 3(PS3)」の499ドルへの値下げという9日の発表をめぐり、会場は大混乱となった。
Sony Computer Entertainment Europe(SCEE)の最高経営責任者(CEO)David Reeves氏は12日夜、値下げは既に製造を打ち切ったモデルの見切り販売にすぎない、とGameSpotのインタビューで語った。しかし、そのわずか数時間後、Sony Computer Entertainment America(SCEA)の広報担当者は、Reeves氏とは異なる発言をした。同広報担当者は、報道されたReeves氏のコメントは「正確ではない」と語った。
SCEAの企業広報担当シニアディレクターDave Karraker氏は、GameSpotのインタビューの中で、「今週発表した通り、SCEAが北米で提供するPS3は、8月に価格599ドルで発売する80Gバイト版と現在499ドルで販売している60Gバイト版の2種類だ」と述べ、さらに「近い将来、われわれは消費者のニーズに応えるため、両モデルともに十分な台数を供給する」と語った。
しかし、この問題に決着をつけたのは、Karraker氏のインタビューとほぼ同時に行われた、ソニーコンピュータエンターテインメント(SCEI)のグローバル責任者に対するテレビインタビューだった。同社社長兼最高経営責任者(CEO)平井一夫氏は、ノルウェーのゲーム専門メディアVGTVのインタビューの中で、60Gバイト版PS3が販売される期間には限りがあることを明言した。
平井氏は未編集のカメラインタビューの中で、「ハードウェアに関しては、米国市場向けに499ドルに値下げした60Gバイト版PS3の製造はすでに打ち切った」と述べた上で次のように続けた。「小売店で(60Gバイト版が)売り切れ次第、599ドルSKUのみを販売する元の状態に戻る。したがって、われわれが米国市場で2重価格戦略を取っているわけではない。SKUを2種類扱う場合に対し、1種類のみを販売する場合の消費者の反応の仕方はかなり早い時期に調査済みだ」
その後、SCEAも(60Gバイト版PS3の)段階的製造中止を認めたが、あくまで段階的である点を強調した。Karraker氏はGameSpotの2度目のインタビューの中で、「60Gバイト版PS3は、北米で品切れになるまで499ドルで販売する」と述べ、さらに「向こう数カ月間、北米の消費者の当面のニーズに応えるため、豊富な在庫を用意している」と付け加えた。
また、499ドルに値下げした新価格を大々的に宣伝する一方で、密かに製造を打ち切るのは「おとり商法」だと批判されていることに対し、Karraker氏は「これは断じておとり商法ではない」と釈明した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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