iSuppliのレポートが正しければ、Appleは、「iPhone」の小売価格に値下げの余地を残してくる可能性が高い。
同コンサルティング会社は米国時間1月18日、Apple iPhoneの合計部品代の予想に関する分析結果を公表した。4Gバイトのメモリを搭載した499ドルのiPhoneの部品代は、229.85ドル程度になる可能性が高いという。分析によると、これに工賃が加算され、総製造原価は245.83ドルになるという。
一方、やはりこのレポートによると、8Gバイトのメモリを搭載した599ドルのiPhoneの部品代は264.85ドルで、総製造原価は280.83ドルになるという。
このようにマージンが大きいと、値下げは避けられないだろう。
iSuppliのディレクター兼主任アナリストJagdish Rebello氏は、「彼らはあとで価格を下げてくるだろう。50%ものマージンを長期にわたって得ることは想像に難い」と述べている。
ほかのハイエンドマルチメディア携帯電話メーカー各社は、約20%のマージンを得ている。これを考慮すると、8Gバイト版iPhoneの小売価格は、携帯電話事業者の補助金を算入しない状態で約350ドルになる。
この数字には、研究開発費や広告費は含まれていない、とRebello氏は語っている。Appleは傾向として、大規模な広告キャンペーンを好む。ウォールストリートのアナリストらは以前、同社を評して「たまたまコンピュータを販売している広告代理店」と呼んだことがある。そして、同社は携帯電話でも一大キャンペーンを展開する可能性が高い。それでも、当初Appleにかかるコストと表示小売価格との間には大きな開きができるだろう、とiSuppliは話す。
Appleは、同デバイスの仕様をごく一部しか公表していない。たとえば、現時点では同電話機に搭載されるプロセッサも判明していない。ただ、それがARMプロセッサになるとの指摘はいくつかある。では、iSuppliはどのようにして部品代を予測したのだろうか?
ほかのベンダー各社と同様、Appleが自社製品の製造に用いる部品や一部のソフトウェアは、国際部品市場で売買されているものだ。たとえば、iSuppliの予測ではWi-Fiチップのコストは15.35ドルになるという。これは、大手メーカーが同チップに対して現在支払っている金額から算出している。8Gバイト版用のフラッシュメモリは70ドル前後になるが、これも現行価格を基準にしている。同社では、Appleが得られるボリュームディスカウントも加味しているが、時間の経過に伴う部品価格の値下がりは考慮していない。調査会社の大半は、フラッシュメモリと、そのほかのコンピュータ用部品の大半は2007年いっぱい値下がりが続く、との予測を示している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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