D4エンタープライズは9月27日、MSXシステムを組み込んだハードウェア「1チップMSX」の予約販売を10月12日から開始すると発表した。予約は専用サイトにて受け付ける。発売は2006年内で、価格は2万790円。5000台の限定販売となる。
MSXは、1983年にMicrosoftとアスキーによって提唱された、家庭用8ビットPCの共通規格のこと。カートリッジROMでゲームソフトが提供されたほか、BASICをはじめとしたプログラム言語やワープロや表計算ソフトなどのアプリケーションも利用できる。1980年代にはソニーのHITBITをはじめ、東芝や富士通など、家電メーカー各社から対応ハードが発売された。
現在、国内で販売されているハードウェアはないものの、2002年に任意団体「MSXアソシエーション」が発足し、商標やソフトウェアの管理を行っている。また、公式のエミュレーターソフト「MSXPLAYer」が公開されている。
今回発売される1チップMSXは、元々アスキーが中心となって進めていたプロジェクトを引き継いで開発したもの。仕様は、幅135mm×奥行き156mm×高さ32mm、カートリッジスロットを2つ備えるほか、MMC/SDカードスロットも用意する。操作用の入力端子としてはUSB端子、アタリ仕様の9ピン端子、PS/2端子を、画像出力の端子にはビデオ出力端子やSビデオ、VGAなどを用意する。最大の特徴はCPUをはじめとするさまざまなチップを自由に変更できることだ。ソースプログラムを書き換えれば、MSXの機能拡張も可能となっている。
MSXアソシエーションの専務理事も務めるD4エンタープライズ取締役の横居英克氏は「旧式のPCにしても売れなくなるからメーカーが販売しなくなるのは分かるが、それがなくなってしまうことは非常に悲しいこと。メーカーに入り、作る側になってもその気持ちは変わらない」と1チップMSXの開発の動機について語る。
D4エンタープライズではMSXやPC8801で販売されたPCゲームソフトの権利を管理し、Windowsをはじめ各種プラットフォームで動作できるよう移植を行ったうえで、ポータルサイトなどを通じてコンテンツを提供している。Wiiのバーチャルコンソールにもソフトを提供する予定だ。また、自社でもレトロゲームのダウンロードなどを行う「Amusement-Center.com」の運営を手がけている。
代表取締役の鈴木直人氏は「今後1年で70社程度のゲームソフトメーカーと提携し、カジュアルゲームなども含め幅広いゲームの提供を予定している」という。さらに、1チップMSX向けのゲームソフトについてもAmusenment-Center.comにてダウンロードで販売を予定している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス