あと5カ月ほどすれば、手元の「iPod」でHDビデオを鑑賞できるようになる可能性がでてきた。
ATO(本社:カリフォルニア州サンカルロス)は、Apple ComputerのiPodに装着可能なLCD搭載ジャケットを投入する。同新興企業の最高経営責任者(CEO)、John Scott氏が今週スタンフォード大学で開催されたAlwaysOn Innovation Summitで語ったところによると、同ジャケットはビデオ版にもそれ以外のモデルにも対応し、iPodをポータブルHDビデオプレーヤーに変身させるという。
同HDプレーヤーの価格は199〜250ドルの間となり、5カ月以内にリリースされる。プレーヤーは当初、MPEG 4、DivX、HD.264などの各種フォーマットに対応する。同デバイスが搭載するバッテリの寿命は約5時間。
同社は最初のiPodビデオジャケットである「iSee 360」を2006年3月に発表し、Wal-Mart StoresやBest Buyなどの各小売店で販売している。Scott氏は、「販売は好調だ」と述べている。
同デバイスの外観はジャケットの形態を取っている。iPodは底部に装着され、USB 2コネクタにロックされて、サイズで上回るiSeeに事実上隠れてしまう。
iPodは2世代ほど前からUSB 2を採用しているが、物理的インプリメンテーションがタイプごとに若干異なるため、各iPodのUSB 2スロットに合わせて装着を可能にすることは困難だ。そこでATOは、標準サイズのiPodと「iPod nano」に合うよう自社製品を調整した。
iSeeはまた、iPodが搭載するストレージをパーティションで区切り、通常のiPod用コンテンツとiSeeでの鑑賞を想定したコンテンツ用の領域を作成する。ハードディスクやメモリをパーティションで区切ることにより、iSeeではApple製著作権保護ソフトウェアでエンコードされたもの以外のビデオクリップも保存できるようになる。
Scott氏によると、iSeeは、Appleが自社サイトで販売するような大手映画会社の作品などではなく、サイズの小さいビデオクリップ観賞用として利用されるケースが大半になるという。
同氏は、「DRM(デジタル著作権管理)を避けるためだ」と述べている。
ATOのほかの大半の社員同様、Scott氏もAppleの出身だ。ATOでは、Appleからライセンスを受けて同製品を製造している。Philipsも、iSee用のチップをいくつか製造することになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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