シアトル発--Microsoftによれば、同社の「Windows Media Photo」が画像の一般的なフォーマットである「JPEG」に取って代わるのだという。
Microsoftは米国時間5月24日、当地で同社が開催している「Windows Hardware Engineering Conference(WinHEC)」において、新しい画像フォーマットの詳細を発表した。Windows Media Photoは「Windows Vista」でサポートされ、「Windows XP」でも使えるようになると、Windows Media Photoのプログラムマネージャー、Bill Crow氏はプレゼンテーションで明らかにした。
「ユーザーがPCをアップグレードする最大の理由の1つはデジタル写真にある」とCrow氏は説明し、MicrosoftがWindows Media Photoに取り組みながら、プリンタやデジタルカメラのメーカー、また(分野を明言しなかったが)その他の提携企業とコンタクトをとっていたことに言及した。デジタルメモリ(写真や映像などの思い出をデジタル化したもの)の管理が、Windows XPの後継となるWindows Vistaにおける重要な特性の1つだと、Microsoftは強調している。
発表の場でCrow氏が披露した、Windows Media Photoフォーマットで24:1に圧縮した画像は、JPEGおよび「JPEG 2000」フォーマットで同程度の圧縮をかけた画像よりも、明らかに細部まで鮮明だった。
それでも、披露されたWindows Media Photoフォーマットの画像にいくらか歪みがあったのは、圧縮比率が高かったからだ。Crow氏によると、現在の一般的なデジタルカメラに使われている圧縮比率は6:1だという。Windows Media Photoフォーマットなら、その倍の圧縮比率でもより鮮明な画像が得られるとして、同氏は「JPEGファイルの半分のサイズで済むことになる」と述べた。
携帯電話やデジタルカメラといった機器では、保存のためのスペースを節約することが特に重要だ。圧縮比率が高ければファイルが小さくなり、印刷や転送も短時間で済むし、機器のバッテリもそれだけ長くもつ、とCrow氏は言う。「ファイルのサイズを小さくできれば、あらゆる面で都合がいい」(Crow氏)
この圧縮技術は「スマートな(賢い)」ものでもある。同氏によれば、大きな画像ファイルのごく一部だけを処理して、縮小版を表示できるという。また、画像の回転といった処理を施す場合、展開してから画像を回転、後でまた圧縮する、といった手間をかける必要がないともいう。
Windows Media Photoフォーマットに触れたWinHECの参加者たちには、静かな興奮とともに受け止めている様子も見受けられた。携帯電話メーカーのSony Ericsson Mobile Communicationsでアプリケーションプランナーを務めるRalf Mueller氏は、ちょうど同社が「Windows Media Audio」や「Windows Media Video」をサポートすることを検討していたところなので、Windows Media Photoフォーマットについても今後調べてみるつもりだと語った。
「われわれの開発サイクルを考えると、2008年までにWindows Media Photoフォーマットをサポートすることはないと思う」(Mueller氏)
フルタイムではないがプロの写真家だというSteven Wells氏は、新しい画像フォーマットは有望そうだと述べた。「JPEGというのは、プロ写真家にとってほとんど使いようのない技術だ。Windows Media Photoは、使い物になる初めての圧縮フォーマットになるかもしれない」(Wells氏)
同技術のライセンスに関する詳細は、まだ検討が行われている最中だ。Crow氏はこうした点が懸念材料になることを認めながらも、何かを採用するかどうか決めるにあたって「ライセンスの問題が制約になることはない、という考え方でずっとやってきた」と話した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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