カリフォルニア州サンフランシスコ発--Motorolaの最高経営責任者(CEO)Ed Zander氏は、「BlackBerry」とビデオ「iPod」を足して2で割ったようなマルチメディア電話「Q」が、来週には同社からリリースされるだろうと述べた。
「われわれは現在リリースに向けて、最後の苦しみの段階にいる」とZander氏は今週サンフランシスコで開催の「Gartner Symposium ITxpo」の質疑応答の中で述べた。「当初のリリース予定は1月だったことを考えると、少し遅れが生じている」(Zander氏)
Zander氏は遅れの原因については明らかにせず、Qが予想以上に複雑な製品と述べるにとどまった。Motorolaは2005年7月に同製品を告知し、2005年末の発売を予定していた。
Qは、Motorolaが一般消費者のみならず企業も対象にしているハイエンドな電話機だ。同電話機には、BlackBerryと同様に親指キーボードや比較的大きな画面が装備されている。ビジネスシーンでの使用を考えた場合、Qはメインの電話機としてだけでなく、状況によってはノートPCの代わりとしても使用されるだろう。Zander氏は、自分が短期出張に出る場合、ノートPCではなくQを使用していると述べた。
QはBlackBerryよりも薄く、動画再生用高輝度スクリーンやMP3プレーヤーなどのコンシューマー向け機能をいくつか搭載している。Zander氏は質疑応答の際に、同電話機を使ってスポーツイベントのビデオクリップや音楽ビデオを再生した。
Zander氏によると、通信事業者や映画会社は現在、エンターテイメント用電話に向けて映像および音楽サービスを配信しようと戦略を練っているという。一部の国では、電話TVサービスは既に始まっており、例えば、韓国では、月額14.95ドルを払えば電話TVサービスを受けることができる。欧州では、FIFAワールドカップにより電話TVサービスの導入が促進されると考えられている。
「本当の問題は、何を見たいのか、そしてどれくらいの時間それを見たいのかということだ。仮にあなたがイタリアにいても、電話機を使ってサッカーの試合を見ることができるだろう」(Zander氏)
これまで多くの消費者は、Motorolaからスタイルという言葉を連想しなかった。転機となったのは、Samsungの挑戦を迎え撃つべく約1年半前にリリースされた薄型携帯電話「RAZR」だった。過去2年間、Motorolaは、デザインを強く意識した電話機を発表してきた。また、同社は、Apple ComputerやYahoo、そしてKodakなどの企業との協力関係を深め、電話機の機能強化に励んできた。その結果、同社の市場シェアは拡大しつつある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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