ロサンゼルス発--ロサンゼルスコンベンションセンターの会場は何万人もの「Electronic Entertainment Expo(E3)」の参加者で満員だったが、2006年は、例年ほど盛り上がらなかったようだ。
同ショーへの参加者は例年より大幅に少なかった。これは、主催者がメディアやゲーム販売業者の参加を厳しく規制したことによる影響だと考えられる。
また2006年のショーでは、期待されていたゲームタイトルもあまり披露されなかった。デモに行列ができるゲームもいくつかあったが、これはむしろ例外で、E3でどの展示ゲームタイトルが最高だったか聞いても、人によって意見がさまざまに分かれる。
その中でも1つだけ、誰にも好評だったと思われるのが、Electronic Artsと「The Sims」の生みの親であるWill Wright氏による「SPORE」だった。同ゲームのデモには、連日約2時間待ちの列ができた。2007年リリース予定の「Spore」は高い期待を集めていたが、同タイトルが公開されたのは今回が初めてではない。実際、今回のデモの方がはるかに充実していたが、同ゲームは2005年のE3で「最優秀賞」を獲得している。
一部の参加者からは、2006年のE3には多くの佳作ゲームが集まったが秀作は多くなかったとの意見が聞かれた。
ニューヨーク州ブルックリンから会場を訪れたゲームデザイナーのAustin Grossman氏は、「強く印象に残ったものは多くなかった。2006年は充電の年だった」と語った。
Grossman氏は、Activisionの「Enemy Territory:Quake Wars」がお気に入りだという。また、Ubisoftの「Assassin's Creed」は発売時に購入するという。しかし同氏は、失望とともにE3会場をあとにした。
「『SPORE』だけ例外で傑出しているが、(EAの)『Crysis』や第二次世界大戦ものなど、ほかはすべて、良いというだけで特に進化は見られなかった」(Grossman氏)
一部のE3参加者に好評だった新しいアプローチによるゲームが、ソニー・コンピュータエンタテインメントがPLAYSTATION 3向けに制作した「The Eye of Judgment」だった。これは、ゲームの登場人物に対応する革新的なカードを使ってプレーする。
南カリフォルニア州立大学の学生Merci Hammon氏は、「また臨場感あふれるカードゲームが楽しめる。素晴らしい快挙だ」と語った。
Grossman氏はそうでもなかったという言うが、「Crysis」に感動した参加者もいたようだ。
Microsoftの主任プログラミングマネージャー(Xbox Liveサービス)を務めるAaron Culbreth氏は、「『Crysis』はかなりリアルに作り込まれていて、見ていて恐怖感さえ覚える。私が見る限り、人の顔や、兵士が歩くときの草の動きが、ものすごくリアルだ」と語っている。
E3で最も注目されたのは「ゲーム」でなく「ゲームコントローラ」だったという見方もできる。イベントでは、次期コンソール「Wii」のコントローラを見ようと、どこよりも長い列ができ、4時間待ちの状態になることもあった。
しかし、E3は最終的にはゲームのイベントである。ショーに来場した人にとっては、多くの印象的なものを見つけるのが難しかったようだ。
Game Developer誌のエディトリアルディレクターSimon Carless氏は「カプコムの『DEADRISING』が気に入った。おかしいくらいに描写が残酷だ」と述べる。「(任天堂の)『Elite Beat Agents』もおもしろくて好きだ」(Carless氏)
Carless氏によると「Elite Beat Agents」は、Nintendo DSのタッチ画面でリズムを刻みながら、トラブルに巻き込まれたキャラクターを応援する。
「犬が間違ってトラックに飛び乗ってしまい、何百マイルも離れた場所に連れてゆかれてしまうような設定がある。音楽の力をつかい、この犬を家に連れ戻さなければならない」(Carless氏)
しかし結局のところ、Carless氏はE3でゲームには感銘を受けなかったと述べている。
「際だって傑出したゲームが1つもなかった」「ゲームが次々と登場するうちに、みんなあまり(ゲームに対して)驚かなくなってくるのだろう。しかし、だからといって内容が良くないということではない」(Carless氏)
編集部注:本稿公開後、タイトルを「E3が閉幕--ゲームタイトルの盛り上がりはいまひとつ」に変更しました。また記事の全訳文を掲載しました。編集部による最終チェックが不十分であり、誤解を招く内容がありましたことについて、お詫び申し上げます。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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