国産中盤カメラの雄、マミヤがカメラ事業から撤退--「MAMIYA-ZD」の不振も影響

 マミヤ・オーピーは4月21日、コスモ・デジタル・イメージングに対し、9月1日をめどに、光学機器事業部門の営業譲渡および子会社であるマミヤの営業の全部を譲渡すると発表した。今後は、電子機器事業およびスポーツ事業に特化し、利益体質への転換を目指すとしている。

MAMIYA-ZD 「MAMIYA-ZD」

 マミヤ・オーピーは、1992年10月に釣具事業を主体としたオリムピックが中判カメラ事業のマミヤ光機を吸収合併して、社名をマミヤ・オーピーに変更し、合併以後は電子機器事業を加え、3事業を柱として営業を行ってきた。2000年12月、長年不振が続いた釣具事業から撤退し、大幅な特別損失を計上。さらに、2001年頃からコンパクトデジタルカメラの浸透や、その後の高級一眼レフデジタルカメラの出現により、中判カメラの売り上げが大幅に落ち込んでいた。

 同社は2005年12月に最高級のデジタルカメラ「MAMIYA-ZD」を発売したが、思うような売り上げが望めず、この4期間に多額の損失を計上した。現状の下では、カメラ事業の早期の回復は望めないと判断し、9月1日をめどに光学機器事業から撤退するとともに、子会社のマミヤとともに光学機器事業をコスモ・デジタル・イメージングに営業譲渡することを決断したとしている。

 譲渡の内容は、光学機器事業およびマミヤのたな卸資産、固定資産、商標権、特許権等の産業財産権および賃貸借契約が対象となる。特別に合意したものを除き、負債は引き継がない予定。光学機器事業部門およびマミヤの従業員については新会社が引き継ぐとしている。なお、営業譲渡の実行は6月29日に開催される株主総会の特別決議で承認されてからとなる。マミヤは営業譲渡後、解散し精算する予定だ。

 譲渡価格は光学機器事業部門とマミヤの合計で税抜き1億円となっており、決済方法は協議中。今後の見通しについては分かり次第発表するとしている。

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